消えゆくオデッセイがアルファードに勝る機能 販売は約5倍差でも実力は負けてない!?

消えゆくオデッセイがアルファードに勝る機能 販売は約5倍差でも実力は負けてない!?

 ついに生産終了が確実となったホンダの名門ミニバンながら、王者アルファードに勝るとも劣らない!?

 最近は高価格車を売りにくいといわれる。2021年1~5月に国内で新車として販売されたクルマの内訳を見ると、軽自動車が39%を占めた。販売ランキングの上位にも、軽自動車とコンパクトカーが多く並ぶ。

 その意味で注目されるのがトヨタ アルファードだ。高価格車なのに、2021年1~5月には月平均で9525台を登録した。ヤリスの9646台(SUVのヤリスクロスとスポーツモデルのGRヤリスを除く)に迫る。

 今はトヨタの全店が全車を扱う体制に移行した影響もあり、アルファードはヴェルファイアの需要も吸収して絶好調に売れている。売れ筋価格帯が400万円を超える車種としては、突出した高人気だ。

 そこで気になるのがオデッセイ。アルファードのライバルとなるホンダの上級ミニバンで、初代モデルはミニバンが本格的な普及を開始する前の1994年に登場した。好調に売れてミニバンが需要を高めるうえで大切な役割を果たしている。

 現行オデッセイは2013年に発売された5代目で、2020年11月にはデザインを刷新する大幅な改良を受けた。しかし登録台数は伸び悩み、2021年1~5月の月平均は1732台だ。アルファードの18%に留まる。そしてついに、2021年内に生産終了されることが明らかとなった。

 そんなオデッセイの実力は台数ほどアルファードと差があるのか? 本稿ではアルファードよりもオデッセイが勝っている機能についてガイドしたい。

文/渡辺陽一郎 写真/HONDA、TOYOTA

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■ミニバンとしての実用性はオデッセイが勝る部分も

アルファードよりもステップは低く、開口部は広いオデッセイ。乗降性は確実にアルファードに勝っている
アルファードよりもステップは低く、開口部は広いオデッセイ。乗降性は確実にアルファードに勝っている

・オデッセイが勝る機能【1】:乗降性
 乗り降りのしやすさはオデッセイの圧勝だ。スライドドア部分の床面地上高を約350mmに抑えたから、アルファードに比べて100mm近く低い。アルファードではサイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りするが、オデッセイなら足が路面から床に直接届く。

・オデッセイが勝る機能【2】:3列目の居住性
 アルファードは床が高いから、3列目に座ると、床と座面の間隔が不足する。頭上と足元の空間は広いが、足を前方へ投げ出す座り方になってしまう。シートは薄手で座り心地も良くない。

 その点でオデッセイは床が低いから、3列目の床と座面の間隔も相応に確保されている。座り心地もアルファードに比べて柔軟だ。頭上と足元の空間は、アルファードよりも狭いが、座った印象は快適に仕上げた。

オデッセイ室内。アルファードと比べて3列目まで快適に座れる
オデッセイ室内。アルファードと比べて3列目まで快適に座れる

・オデッセイが勝る機能【3】:荷室の使い勝手
 オデッセイの3列目シートは、床下に格納する方式だ。そのために格納時に3列目が荷室に張り出さない。アルファードは左右に跳ね上げる方式だから、3列目が荷室に干渉する。

 ただし、オデッセイで3列目を格納する時は、床下に入っている荷物を取り出して、3列目の格納スペースを確保せねばならない。一長一短ではあるが、スッキリした荷室を使いたいユーザーには、オデッセイが適している。

次ページは : ■クルマとしての基本性能もオデッセイの優位点

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