「足が速いだけでモテる時代は終わりました」。そんなメッセージを含んだCMが印象的なフォルクスワーゲン(VW)のGTIシリーズ。
走るの大嫌いな担当には惹かれるキャッチコピーですが、本当にGTIはモテるのか?
そんなGTIシリーズに日本上陸したての「up! GTI」が加わった。小さなボディでもしっかり楽しい、そんなかつての「GTI」の遺伝子は伝承されたのか? 徹底チェック!!
文:ベストカー編集部/写真:望月浩彦
■現在のGTIシリーズはこんな感じ
ホットハッチといえば、すぐに思い浮かぶのがVWのGTIシリーズ。そのGTIシリーズの3モデルが6月8日にデビューした。6月8日発表発売となった、up!GTIと特別仕様車、ゴルフGTIダイナミック。
そして6月8日発表、7月3日発売が今年3月に日本上陸した新型ポロベースのGTIだ。
【up! GTIはこんなクルマ】
まずは末っ子のup!GTI。ラジエータグリルの赤いストライプやハニカムグリル、タータンチェック柄シートなど、GTI伝統の装備が奢られる。
また116㎰/20.4kgmを発生する1L3気筒ターボを搭載。価格は限定600台、6速MTのみ、価格は219万9000円。
【ポロGTIはDSGのみの設定】
新型ポロGTIはこれまでの1.8L直4ターボに代えて、ミラーサイクルの燃焼技術を採りいれた第3世代のEA888型2L直4ターボが搭載され、歴代最強となる200ps/32.6kgmを発生する。
足回りはノーマル/スポーツと2つの特性を変更できるアダプティブダンパー、スポーツセレクトサスペンションのほか、ドライバーの好みに応じて4つのドライビングプロファイル機能を切り替えることができる。
トランスミッションは6速DSGのみ、価格は344万8000円。
【ゴルフGTIダイナミックはこんなクルマ】
ゴルフGTIダイナミックは、アダプティブシャシーコントロールDCCやレッドストライプをあしらったダークグレーの18インチホイールを装備。
さらに純正インフォティンメント、ディスカバリープロやデジタルメータークラスターなど、最新装備を満載した特別仕様車だ。
6速DSGモデルは445万9000円。6速MTモデルのみ限定100台となり、このモデルでゴルフGTIのMTは打ち止めとなる。
■up! GTIは初代ゴルフGTIの再来だ!!
さて、前置きが長くなったが3モデルのうち、up!GTIとゴルフGTIに試乗することができたのでご報告。
1980年代の韋駄天EP71ターボやCR-Xなどホットハッチ全盛の頃を知る担当はワクワクしながらup!GTIに乗り込む。
エンジンキーを捻り、回転数を上げて加速していく。2000rpmからレッドゾーンに入る6000rpmまで雑味なく極めてスムーズに回る。
「あれ、もうこんなにスピードが出てる」というのが最初の感想。かつてFFのトルクステアでこりゃ危ないと感じたホットハッチは今や昔。
タイヤのひと転がりから上質で、軽いクラッチ、ロングストロークながらカキコキ剛性感の高いフィールの6速MTともども、見た目はナウなヤングでも、仕立ては一丁前なジェントルマンズGTIなのだった。
とはいえ、初代ゴルフGTIの再来というべきサイズ感と動力性能、コットン100%の軽いシャツを羽織ったような1トンの軽いボディをエンジンをぶん回して操るこの感覚、なかなか貴重だと思いますヨ。
そしてもう1台のゴルフGTIダイナミック。
重厚な冷蔵庫ともいうべきボディ剛性感、6速DSGと230㎰の2L直4ターボのスムーズな加速フィール、減衰力可変ダンパーによる秀逸な乗り心地など、ゴルフGTIの最終熟成形のよさを改めて感じることができた。
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