今秋にも登場か、とされている、日産の新型フェアレディZ。詳細な車両スペックは現時点明らかになっていないが、V6ツインターボの搭載と、6速マニュアルミッションの採用は公表されている。
このV6ツインターボは、おそらく、スカイライン400Rに搭載されている3.0リッターのV6ツインターボのVR30DDTT、もしくは、それのZ専用チューニング版になるはずだ。実現すれば、Z33型、Z34型と、2世代に渡ってV6のNAエンジンであったが、Z32フェアレディZ以来のツインターボが復活となる。
だが、カーボンニュートラルが強く叫ばれる中、この手のツインターボエンジンが、今後も生き残れる可能性は低い。VR30DDTTは、日産最後のツインターボエンジンになってしまうのだろうか。
文/吉川賢一、写真/NISSAN、ベストカー編集部
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■VR30DDTTは新型Zへの搭載が最期!?
VR30DDTTは、北米と中国をメインマーケットとするインフィニティのQ50、Q60向けとして開発された日産製のエンジンだ。
Q50がデビューしたのは2014年のこと。当初は、前型のキャリーオーバーとなったVQ37VHR(3.7L V6 NAエンジン)とVQ35HR+モーターの3.5L V6ハイブリッド、そして、ダイムラー製2.0L直4ガソリンターボ(M274型)を搭載したモデルがあった(欧州にはメルセデス製の2.2Lディーゼルターボもあった)。
その後、2016年頃に3.7L V6のダウンサイジングエンジンとして投入されたのが、3.0L V6ツインターボのVR30DETTであった。VR30DDTTは、300ps級と400ps級の2通りのアウトプットで用意されており、400ps級のエンジン搭載車は、「Q50 RED SPORT 400」という名で販売されている(2021年7月現在)。
この2基のエンジン搭載車を、国内のスカイラインにも、2018年のマイナーチェンジで投入、400ps級エンジン搭載車を「400R」と名付けて販売している。
だが、現時点、インフィニティの売れ筋SUVであるQX50やQX55、QX60は、可変圧縮比の2.0L VCRターボをメインエンジンとしており、VR30DDTTは販売台数が落ちているQ50とQ60にしか搭載がなされていない。
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