トヨタのミドルクラスミニバンといえば、ノア/ヴォクシー/エスクァイアの三兄弟。2020年5月からトヨタが販売店統合(全車種全店扱い)となってから「兄弟車制度を廃止してノアに一本化する」という噂が流れていたが、どっこいそれ以来ヴォクシーが三兄弟トップの売れ行きをずっとキープ。2021年1~6月累計販売台数ではノアが21652台、エスクァイアが7221台であるのに対し、ヴォクシーは41091台を販売。つ、強い…。
そんな絶好調のヴォクシーに、いまどんなグレードがあって値引きはどれくらいなのか? ライバルと競合させて商談するならどんなモデルと比べるべきか。「買いに行く前に読む企画」としてご用意しました。
文/諸星陽一
写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】トヨタのミドルサイズミニバンで最も売れているヴォクシー 販売台数は兄弟車ノアを圧倒!!
■現行モデル登場時期と最近のマイナーチェンジ情報
ヴォクシーはライトエース・ノアがノアにモデルチェンジした2001年のタイミングで、ノアの兄弟車として設定されました。
当時、ノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店での扱いブランドでした。
現在トヨタは販売店統合に向けて動いており、すべてのディーラーですべての車種が購入できるようになっています。現行モデルは2014年に登場した3代目で、直近の変更は2019年1月に行われた安全装備充実を中心とした一部改良。
また2020年4月には前述の販売店統合に向けての動きの一環として、グレード整理を行うとともに、フロントに装着されていたネッツ系モデルを示すエンブレムをトヨタのエンブレムに変更しました。
バイヤーズガイドは通常、標準仕様についてのみ解説するところですが、グレードが少なくまた特別仕様車の「煌III」が人気となっているため、「煌III」も含めて解説します。
ヴォクシーに用意されるパワーユニットは2.0リットル・ガソリンエンジンと1.8リットル・ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドの2種です。駆動方式は基本がFFで、ガソリンエンジン仕様にのみ機械式4WDが用意されます。
ミッションはすべてCVTとなります。
安全に関する装備のうち、昼間歩行者検知機能付き衝突回避支援タイププリクッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、先行車発進告知機能、インテリジェントクリアランスソナー(対静止物パーキングサポートブレーキ)、ドライブスタートコントロールが全車に標準装備となります。
基本的に単一グレードですが、特別仕様車の「煌III」も用意されており、一部の(標準車にはオプション設定だった)装備が標準装備となります。
なかでも「煌III」の大きなポイントは、リヤオートエアコン(リヤクーラー+リヤヒーター)とワンタッチスイッチ付きパワースライドドア(左右、デュアルイージークローザー&挟み込み防止機能付き)が標準になることです。リヤオートエアコンは4万4000円、パワースライドドアは6万2700円ですから、これだけで10万6700円の価値があります。そして、「煌III」と基準車の価格差は9万5700円と、装備分よりも低いのです。ですので、リヤオートエアコンとパワースライドドアを装着しようと考えているなら、「煌III」を選ぶのが正解となります。
しかも「煌III」のリヤオートエアコンはナノイーが標準でプラスされますが、基準車にリヤオートエアコンをオプション装着してもナノイーは装備できません。また、基準車はフロントサイドウインドウとリヤサイドウインドウがUVカットプライバシーガラスとなりますが、「煌III」はフロントサイドウインドウがスーパーUVカット、IRカット+はっ水機能付き、リヤサイドウインドウがスーパーUVカットプライバシーガラスとなります。
また、プラスされるさまざまな装備との関係で、寒冷地仕様を2万3100円で装着可能。規準車は6万9300円となります。寒冷地の方はプラスされる装備のお得感に加え、寒冷地仕様の追加料金が安いので「煌III」がさらにお得に感じます。
ただし「煌III」にはツインムーンルーフの装着はできません。ハイブリッド車も装着不可なので、ツインムーンルーフを装着したい場合はガソリンエンジンモデルの基準車を選ぶ必要があります。
また、T-Connect SDナビゲーションシステム+ヴォクシー・パノラミックライブサウンドシステムもガソリンエンジンモデルの規準車にのみ装着可能なので、このナビが欲しい場合も同様となります。
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