交差点などで左折をするとき、いったん右にハンドルを切る、という危険な運転をするドライバーがいる。「あおりハンドル」と呼ばれるものだが、交差点で見ていると、数台に一台の割合で、あおりハンドルっぽい操作で左折していくクルマを見かける。なぜ彼らは、あおりハンドルをするのか。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:AdobeStock_yamasan
写真:AdobeStock、写真AC
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内輪差が気になるのは、ハンドルを回しきれていないだけ
特に狭い道へ入るわけでもない一般的な交差点において、ホイールベースが長いトラックでもない一般的な乗用車で、あおりハンドルをしなければ左折できないのは、運転が下手だからでしかない。
左側後輪が交差点の縁石や支柱にひっかけた苦い経験でもあるのか、内輪差を気にするあまり、無意識のうちに右側へと流れていき、そこからハンドルを回す。交差点手前での減速が甘くても、大きな半径で曲がることができるので、ハンドルを回す量は少なく済む。危険を振りまいているのを知ってか知らずか、ドライバーは運転が楽になっている。
しかし、もし内輪差で左側をひっかけた、もしくはひっかけそうになった経験があるならば、それは「交差点左折時のハンドルの回し方が少ない」ことが原因だ。交差点手前で左に寄せながらしっかりと減速をして、ハンドルを回しながらソロソロと進めば、安全確認をする余裕もできて、特に狭い道でなければ、余裕で曲がれるはずだ。
ご存じの通り、道交法では、「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」(道路交通法第34条)と決められている。
この内容は運転免許取得したドライバーであれば、誰もが勉強したはず。サーキット走行だと、コーナーはアウト-イン-アウトで駆け抜けるよう、アドバイスされることがあるが、そこは公道だ。
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