あおりハンドルの危険性
左折時にあおりハンドルをしようとすると、左へ出しているウインカーは、右へハンドルを切った時点で、キャンセルされてしまう。後続する自動車や自転車、二輪車にとっては、「左へ曲がろうとしたけど、やっぱり右へ行くのか」という理解ができる。というか、そのように理解するのが一般的だろう。
後続の自動車はともかく、自転車や二輪車にとっては、前走車が「左折するか否か」は非常に重要。左ウインカーがキャンセルされた時点で、直進する二輪車や自転車は加速してしまう危険もある。
あおりハンドルをするドライバーたちが、どれだけ慎重にこれらの巻き込み確認をしているかわからないが、どちらにしろ、もし左ウインカーがキャンセルされた状態で左折すれば、それは「合図不履行違反」だ。この時、二輪車を巻きこんだ事故となってしまえば、過失割合が相当高くなることは避けられない。
あおりハンドルは、左折時の内輪差でひっかける原因を勘違いしている、もしくは、できるだけ減速をしたくない、という自分勝手な理由でこれほど危険な運転をしていることに気づいていない、非常に愚かな行為だ。
挙動不審なクルマは「観察する」
あおりハンドルをするような危険な運転に巻き込まれないためには、日頃から、周囲のクルマ、とくに前走車の挙動は注意して観察しておくと、危険予知ができる。
前走車がフラフラしていたら、ひょっとすると居眠り運転やわき見運転をしているかもしれないし、前のクルマとの車間距離を詰めているようだったら、何かにイラついているかもしれない。前走車の挙動が「あやしい」と感じたら、自車が巻き込まれないようにするため、なるべく離れるようにしてほしい。
あおりハンドルに対しては、前走車の挙動不審に気づくことができたら、左側をすり抜けてくる自転車や二輪車がいないか要注意だ。巻き込み事故になってしまうと、後続の自動車も二次被害を受けかねない。その時点での被害回避行動は難しいかも知れないが、身体を守る行動はとるようにしてほしい。
だが当然、悪いのはあおりハンドルをするドライバーのほうだ。しかしやっかいなことに、これらのあおりハンドルをするドライバーの多くが、あおりハンドルのことを「運転テクニック」だと思っている。
自分のことを「コーナーでロスなく駆け抜ける上手なドライバー」と思っているため、危険な目に遭うか、警察などに指導されない限り、迷惑で危険な運転行為だと気づくことは難しい。
他にも、左からの追い越しなど、危険だと感じる運転行為をするドライバーはよく見かける。速度超過や一時停止違反の取り締まりももちろん大切だが、このような運転行為に対してもしっかりと指導してほしい。
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