コロナ禍の影響で帰省等もままならない事が予想されている夏場の高速道路だが、実際の所はオリンピックの影響でガラガラの首都高速以外では高速道路は平日でも混んでいるケースが多い。
スムーズな料金所通過のためにはETCはもはや必需品だが、ETCを進化させた「ETC2.0」に関しては「いつ付ければいいのか?」と悩む声も根強くある。問題となっている“価格”“セキュリティ問題”“利用メリット”などからETC2.0装着のタイミングを見定めたい。
文/高山正寛
写真/Pioneer、AdobeStock(トビラ写真=Takahiro@AdobeStock)
【画像ギャラリー】価格、セキュリティ、利用メリットなどから考える『ETC2.0』乗り換えのタイミングはいつ??
■さすがに利用率は高いのだが……
まず実際のETCの稼働状況に関してだが、この原稿の執筆時、最新の国土交通省の2021年5月のデータによれば、ETCの1日における利用台数は671万台、利用率でみれば93.2%と高いことがわかる。
実際、ETC専用レーンの拡大や、これまでSA/PAのみに設置されていたETC専用の「スマートIC」も昨今は高速道路に専用の大型インターチェンジを設置するなど利便性も高まっている。
これまでのETCでもこれらを使うことができることは説明不要だが、進化版とも言えるETC2.0に関しては同じ月の1日あたりの利用台数は189万台、利用率も26.5%と低い。厳密には低いというよりは「思ったほど伸びていない」と言った方が適切で、もう少し利用率が上がってもいいのではと感じる。
■ETC2.0が普及しない理由
ETC2.0自体のメリットに関してはあえて最後にまとめるとして、やはり普及を妨げている理由はまず「価格の高さ」にあるだろう。過去には国土交通省がETCの普及促進のために高速道路のSA/PAなどで無料セットアップキャンペーンを行ったことがあった。
実際筆者も2008年頃、首都高の大黒PAでこのサービスを受けたことがあった。もちろん、車載器は限られたモデルしか選べなかったが、何よりも車載器とセットアップ料金が無料だったこともあり、会場はかなり混雑していた記憶がある。
さすがにここまでやらなくても良いが、当時助成金を使い無料で装着を促進していたETCに比べると、ETC2.0の価格はやはり高めだ。最近はそれでもその価格差は1万円前後に近づいてきている市販品もあるが、メーカー純正の場合、ナビ連動タイプだと(その方が便利ではある)2万円以上差が発生するケースもある。
新車購入時に勢い!?で購入してしまうなら少しは理解できるが、中古車も含め、後付けで購入する場合はやはりまだまだハードルは高いのである。
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