1990年代から2010年頃まで、多くのクルマの助手席側フェンダーの角に装着されていたコーナーポール。メーカーによって車幅ポール、フェンダーポール、フェンダーランプなど、様々な呼ばれ方をされている。
近年、装着しているクルマは少なく、販売店装着オプションからも徐々に姿を消している。存在が薄くなってきたコーナーポールだが、実際にどのような人が、何のために装着していたオプションだったのか。自動車ディーラーで、新車販売に従事していた筆者が、コーナーポールの今を探っていく。
文/佐々木 亘
写真/TOYOTA、ホンダアクセス、AdobeStock
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■機能的でダサくなかった? コーナーポールの今と昔
最近の流麗で塊感のあるデザインに、コーナーポールは異物感を感じる。しかし、少し前の角張ったクルマの外観では、コーナーポールがアクセントになり、クルマがカッコよく見えることもあった。
コーナーポールと一口に言っても、ただバンパーの角にある棒というわけではない。手動で伸縮可能なモノや、イグニッションONと同時に飛び出してきて、エンジンを切るとバンパー内に格納される機能性の高いものもある。
メルセデスベンツでは、スリーポインテッドスターが象られたコーナーポールが用意され、実用性とドレスアップを兼ねていたのが印象的だ。
コーナーポール装着の目的は、運転席から目視しにくい、助手席側のボディ角がどこにあるのかを知るためであり、クルマの車幅感覚を養うのに重宝する。
筆者も初心者マークの頃は、コーナーポールを愛用していた一人だ。現在の愛車にコーナーポールはつけていないが、コーナーポールの付いたクルマを運転すると、妙な安心感を得られるのは、私だけではないだろう。
■純正オプションは激減! 実際に選べる車種はどの程度か?
コーナーポールが純正オプション設定されているクルマは明らかに少なくなった。2016年頃から急激に減少し、ここ5年間は、非設定車が目立つ。
実際にオプションとして、どの程度コーナーポールが設定されているのだろうか。トヨタの現行車種で、普通乗用車36台をチェックしてみた。(トヨタオプション名はフェンダーランプ)
ディーラーオプション設定があったのは、カローラスポーツ・パッソ・ルーミー・ヴォクシー・エスクァイア・ノア・シエンタ・カムリ・カローラ・カローラアクシオ・クラウン・センチュリー・プリウス・プリウスPHV・カローラツーリング・カローラフィールダー・ヤリスクロス・ライズである。
18車種で設定があり、その割合は丁度半分となった。
セダンでは設定が多いが、コンパクト、ミニバンでは如実に減っている。特にヤリスやアクアに設定がないのには驚いた。SUVでは、ヤリスクロスとライズ以外に設定はない。
トヨタ以外のメーカーでも同様の傾向があり、今後オプションの淘汰は、さらに進んでいくだろう。
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