EV化を押し進める欧米に対し、国産メーカーも対応に追われている状況で、来年が日本における真の意味でのEV元年となりそうな気配。
現在の計画性のないEV戦略ではなく、各カテゴリーに主力と言えるモデルが用意されてくる。
国内メーカー各社のEV戦略をまとめた。
※本稿は2021年8月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年9月10日号
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■海外に比べてどこか出遅れ感が否めない国内各社のEV事情 本当に大丈夫?
「脱炭素社会」の名の下に、狂信的なまでの電動化を進める世界の自動車業界。
欧州とカナダは2035年に内燃機関を使った新車(ハイブリッド、プラグインハイブリッドを含む)の販売を禁止する方針を発表。さすがにそれは厳しいと、欧州の自動車業界団体から反対の声が挙がっているものの、この動きはしばらく止められそうにない。
気候変動への対策ではなく、自動車産業における覇権争いの道具になっている感もあるEVだが、国産メーカーも傍観者ではいられない。各社が正式に発表しているEVの商品計画を整理しておこう。
最も大胆な施策を打ち出しているのはホンダで、2040年に新車の販売をEVとFCV(燃料電池車)だけにする方針を掲げている。
トヨタとスバルは共同でEV専用のプラットフォームを開発し、来年夏には両社からその第1弾となるSUVタイプのEVが登場。その後、車種展開を広げていく計画だ。
日産はシリーズハイブリッドのe-POWERとEVの両輪で電動化を押し進める。
現状e-POWERは国内専用ユニットだが、発電用エンジンの高出力化を進めてモーターパワーを強化。走行速度の速い欧米でも通用するユニットに成長させる。なお、日産の計画では2030年代早期にe-POWERとEVの販売比率は半分ずつとしている。
マツダは2025年以降に自社開発のEV専用プラットフォームを実用化。
電池容量やサイズをフレキシブルに変化させられるベースユニットで、多様なEVを生み出すことができる。
三菱は日産、ルノーとのアライアンスを有効活用する。数年以内に2社でEV部品の7割を共用化するメドがついているという。
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