溝があっても実は危険? 使ってはいけないタイヤの条件と見分け方

溝があっても実は危険? 使ってはいけないタイヤの条件と見分け方

 クルマに関するパーツのなかで、最も身近なパーツと言っても過言ではないタイヤ。皆さんはどのようなタイミングで交換していますか?

 「溝が少なくなってきたら」「スリップサインが出てきたら」といった漠然としたイメージはあるものの正確な交換タイミングは意外と知られていないのが実態ではないだろうか。四輪を支えるタイヤ。実は溝が残っていても使ってはいけない場合もある。安全を担う、その条件と見分け方とは?

文/斎藤 聡
写真/編集部、Adobe Stock、メイン写真/Albert-Igorevich-Stock.Adobe.com

【画像ギャラリー】溝が残っているから大丈夫、というワケではない! こんな状態のタイヤは使ってはいけない!!


■「スリップサインが出たら」では遅い! 適切なタイヤ交換時期は?

赤い線で囲んだ三角マーク部分の溝にスリップサインが現れる

 「まだタイヤの溝があるから大丈夫」と思っているあなた。ホントに大丈夫でしょうか?

 タイヤが摩耗して一番危険なのは雨の日です。タイヤはスリップサインが出たら交換、と思っている人が少なくないのですが、これは法令(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第167条)で、タイヤの使用限界が残溝1.6mmと定められているということに過ぎません。

 ちなみに、タイヤには残り溝1.6mmになったことを示すスリップサインが現れるように、縦溝の数か所に凸型の突起(1.6mm)が作られています。またスリップサインの現われる箇所を示すために、タイヤの側面に△マークなどの目印が刻印されています。

 残溝1.6mmは、タイヤの使用限界を示したもので雨の日の安全性を担保したものではありません。雨の日の安全性を考えたらもっと早くタイヤを交換するのが安全です。

 タイヤは5分山以下になったところから加速度的にハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。ハイドロプレーニングとは、雨の日にタイヤが水に浮いてしまいハンドルやブレーキが利かなくなってしまう現象です。

 タイヤの溝は、路面の水を後ろに排水する役割を持っているのですが、溝が少なくなると排水量が少なくなるのでハイドロプレーニングが起こりやすくなります。

 タイヤの溝は新品時でおよそ8mmですから、残溝4mmを切ったら、そろそろ排水性が悪くなって雨の日の性能が落ちてくるということです。

 といっても残溝4mmくらいだとドライ路面での性能は適度にブロック剛性が高くなってむしろフィーリングがよかったりします。そんなことを勘案すると、残溝3mm~2mmくらいが交換のタイミングではないでしょうか。

 あるテストの結果では残溝3mmくらいから摩耗が進むごとに急速に耐ハイドロプレーニング性能が悪くなっていくというデータもありますから、このあたりを交換の目安にするのがいいと思います。

 近年は、台風やゲリラ豪雨など、3シーズンいつ大雨に見舞われるかわからないので、摩耗が気になったら早めのタイヤ交換をお勧めします。

■スタッドレスの寿命は50%摩耗まで

赤い線で囲んだ部分が「プラットフォーム」と呼ばれる突起だ。スタッドレスタイヤの場合、これが現れたら寿命ということになる

 スタッドレスタイヤについても触れておきましょう。スタッドレスタイヤには、スリップサインのほかにスタッドレスタイヤとしての使用限界の目安になる「プラットフォーム」と呼ばれる突起が縦溝につけられています。タイヤの摩耗が50%になると現われます。

 これは多くのタイヤメーカーがスタッドレスタイヤとしての寿命は50%摩耗までとしています。また残溝1.6mm規定のように保安基準ではありませんが、地方自治体が独自に定める道路交通法施行細則で50%以下の摩耗のスタッドレスタイヤの使用を禁じている自治体もあります。

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