今や新車においてMT車は絶滅寸前となっている希少な存在。現在進行形となっている電動化によってハイブリッド車や電気自動車が増えると、MT以前にトランスミッションが不要となっていくこともあり、いずれMT車がなくなるのはほぼ確実である。
いっぽう、現在の日本車ラインナップを見ると、スポーツモデルを中心にMT車はまだそれなりに設定されているのに加え、スポーツモデルではないMT車も探せば意外にある。本稿では、そんな魅力ある非スポーツモデルのMT車をピックアップしてみた。
文/永田恵一、写真/MAZDA、TOYOTA、SUZUKI、DAIHATSU
■トヨタ C-HR ターボ車
TNGA-Cプラットホームを使い1.2L・4気筒ターボを搭載する3ナンバーボディとなるカローラ、カローラツーリング、カローラスポーツ、クーペルックのミドルクロスオーバーとなるC-HRには、いずれも6速MTが設定される。
この4台の6速MTにはスタートとシフトダウン時のブリッピング、坂道発進の際のブレーキサポートをしてくれるi-MTが装備されるので、運転が優しいことも魅力だ。
しかし、カローラ系の1.2L・4気筒ターボ+6速MTは、アクセル操作に対するレスポンスが非常に鈍く、「スポーツモードにして普通のレベル」という印象があったことがあり、この中からはそういった違和感のなかったC-HRを勧める。
C-HRのターボ+6速MT車は、動力性能自体こそ1.8リッターNA並と普通だが、いつでもMTの楽しさを楽に味わえる点は魅力だ。
なお、C-HRのターボ+6速MT車を買うなら、標準系は2019年秋のマイナーチェンジでショックアブソーバーがマイナーチェンジ前のザックスから日本製に変更され、ハンドリングと乗り心地がマイナーチェンジ前より退化しているので、サスペンションが適度に引き締められた「GRスポーツ」がお勧めだ。
■マツダ6/CX-5ディーゼル
マツダ6とCX-5に搭載される2.2Lディーゼルターボエンジンは、「速い、静か、低燃費」と三拍子揃った魅力的なエンジンである。
このディーゼルターボをさらに楽しめるのがそれぞれに設定される6速MTで、具体的には早めにシフトアップして強大な低速トルクを、アクセルを深く踏んだ際には速さをと、表情豊かなエンジンをより濃厚に味わえる。
さらにディーゼル車は同じ段数でもATよりMT車の燃費が伸びる傾向にあるので、エコで楽しいという点もこの2台の大きな魅力だ。
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