■スズキ アルト
軽セダンのアルトのベーシックグレードとなる「F」には5速MT(86万3500円)が設定される。
最近読者の方が所有するこのクルマに乗せてもらったのだが、610kgという車重の軽さにより、駐車場内でクラッチをつないだ瞬間から笑みが止まらず、無駄なギアチェンジをしながら普通に街乗りしているだけで、現在GRヤリスとBRZを持つMT好きの筆者は楽しくて仕方なかった。
アルトのMT車が楽しいのはMTということだけでない。アルトの標準車は低価格車ながら内外装に安っぽさがないどころか気持ちが明るくなる雰囲気を持つことも大きい。そのためアルトFには、現在41歳の筆者が30代はじめに乗っていた初代トゥインゴに教えられた精神的な豊かさを思い出させてもらった。
なお、アルトFのMTは新車が品薄になっているという情報もあり、欲しいなら即自分のものにすることを強く勧める。
■スズキ ジムニー&ジムニーシエラ
軽自動車とその登録車版となる本格オフローダーのジムニー&ジムニーシエラは孤高の存在で、登場から3年が経っても未だ長い納車待ちとなっている。
ジムニー&ジムニーシエラには5速MTと4速ATがあり、4速ATはイージードライブだが、ジムニー&ジムニーシエラともに動力性能に余裕がないクルマなので4速ATだと動力性能がスポイルされるのは否めない。
5速MTであれば2速と3速のギア比が離れているためシフトアップのエンジン回転によっては失速感があることがあるものの、ジムニー&ジムニーシエラ本来の動力性能が得られ、10万円以上の価格差に加え燃費の向上というメリットも大きい。
さらにジムニー&ジムニーシエラは、シートを含めた乗り心地の悪さを大きな理由として、ある程度以上の時間乗ると疲れるクルマなのも事実だが、「このクルマを走らせているのは自分なんだ!」という運転する手応えが非常に濃厚なのも、5速MT車を勧める理由の1つだ。
■スズキ キャリイ&エブリイ/ダイハツ ハイゼット&ハイゼットカーゴ
軽トラック&軽1BOXバンは、クルマの原点のような存在だけに、MT車だと動力性能と燃費の向上に加え、「クルマを操っている」という楽しさや手応えも濃厚なため、MT車を強く勧めたい。
また、軽1BOXバンであればキャンピングカーにするのも可能なくらい車内のスペースが広く、それに加えて軽商用車は若年層の任意保険も安いので、若い人がはじめてのクルマとして軽1BOXバンを買い、車中泊の旅をするといった使い方をするのも楽しいだろう。
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