極寒のなか立ち往生…救援到着までどうすべき? 命を守る大雪の備えと必須装備

極寒のなか立ち往生…救援到着までどうすべき? 命を守る大雪の備えと必須装備

 昨冬に相次いで発生した大規模なクルマの立ち往生を受けて、警戒がされていた大雪による立ち往生。しかし今冬も、数年に1度の最強寒波の影響によって首都高などで立ち往生が発生しました。

 雪道ドライブの前には、スタッドレスタイヤの状態をチェックするなどスタックしないように準備を行いたいです。ただ、自分が完ぺきな準備をしていても、ホワイトアウトに見舞われたり、先行車の影響で立ち往生に巻き込まれることもあります。

 ここでは、身動きがとれなくなり停車状態で救援を待つ場合、エンジンをどうするべきか? やクルマに積んでおくと役立つものをご紹介します。

文/諸星陽一
アイキャッチ画像/©Nikolay N. Antonov – stock.adobe.com
写真/Adobe Stock

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ウィンタードライブに行く前に準備しておくこと

溝の深さが半分になってしまうと、雪道での効果がほぼなくなるスタッドレスタイヤ。履くだけでなくタイヤの状態も確認しておきたい(©Kumi – stock.adobe.com)
溝の深さが半分になってしまうと、雪道での効果がほぼなくなるスタッドレスタイヤ。履くだけでなくタイヤの状態も確認しておきたい(©Kumi – stock.adobe.com)

 ウインタードライブの準備といえば、スタッドレスタイヤを履いて、ワイパーをスノーブレードに交換、ウォッシャー液の濃度を濃くして、ディーゼル車ならば寒冷地に到着してから給油をする……などなどが考えられます。こうした準備はとても大切で、雪道で動けなくなってしまうことを予防できます。

 準備段階でとくに気をつけてもらいたいのがスタッドレスタイヤの状態です。スタッドレスタイヤを履いていれば安心という考えは危険です。スタッドレスタイヤは溝の深さが半分になってしまうと、雪道での効果はほぼなくなります。プラットフォームと呼ばれるスリップサインのような溝が途切れるマークが出現したら限界です。スリップサインが「▲印」部分に現れるのに対し、プラットフォームは「矢印」部分に出現します。

 また、雪が深い地域に行く場合は、スタッドレスタイヤだけでなく、タイヤチェーンも携行しましょう。チェーン規制となっている道路ではスタッドレスタイヤでは走れないのはもちろん、グリップダウンを感じたら早めにチェーンを装着したほうが安心です。

視界の悪い状況「ホワイトアウト」発生したら?

雪によって視界が奪われるホワイトアウト。見えない場合は無理せず待機して天候の回復を待ちたい(©naka – stock.adobe.com)
雪によって視界が奪われるホワイトアウト。見えない場合は無理せず待機して天候の回復を待ちたい(©naka – stock.adobe.com)

 さて、どんなに自分が完ぺきな準備をしていても、それを上まわるような過酷な気象状況になった際はどうすればいいでしょう。もっとも身近な過酷な気象はホワイトアウトでしょう。ホワイトアウトは雪が強く降るのではなく、降り積もった雪が強風によって巻き上げられることで発生します。

 こうした状況ではヘッドライト(ロービーム)を点灯、フォグランプがあれば前後ともに点灯します。一部でハザードランプを点滅させながら走るといい……ということがいわれていますが、ハザードランプは停止時、もしくは高速道路などで渋滞末尾に付く際に使うものです。走り続ける際にハザードランプを使うのは、停止しているクルマか? 走っているクルマか? を見分けられないので、使うべきではありません。

 視界の悪いところで停止するならハザードランプを点滅させるべきですが、走っている際にハザードランプを点滅させるのはおかしな話です。完全に前が見えない、タイヤのグリップが限界を超えていて空転し続けるといった場合は、走るのをあきらめるのが懸命でしょう。

 ホワイトアウトで見えない場合は待機して天候の回復を待つのも手ですが、タイヤがグリップしない場合は救援を求める以外に方法がありません。タイヤチェーンを運んでもらったり、クルマはその場に置いて安全な場所に移動し、後日クルマを回収という方法も考えなくてなりません。

 また、自分の装備が完ぺきでも、先行するクルマがスタックしてしまったら、自分もその場に閉じ込められてしまいます。先日、東京に降った雪の際も首都高速で10時間以上の立ち往生を強いられたクルマもありました。停車状態で救援を待つ場合、エンジンは停止するべきでしょうか?

次ページは : 救援待ちのときのエンジンはどうすべきか? クルマに積んでおくべきものは?

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