極寒のなか立ち往生…救援到着までどうすべき? 命を守る大雪の備えと必須装備

救援待ちのときのエンジンはどうすべきか? クルマに積んでおくべきものは?

雪国でなくとも発生する立ち往生。軽量ブランケットや飲める水を搭載しておくと万が一の時に役立つ(ALL RIGHTS RESERVED-stock.adobe.com)
雪国でなくとも発生する立ち往生。軽量ブランケットや飲める水を搭載しておくと万が一の時に役立つ(ALL RIGHTS RESERVED-stock.adobe.com)

 普通の装備であればエンジンを停止してしまうと、車内の気温が下がりすぎて危険なのでエンジンは停止しないほうが安全です。しかし、ここで怖いのが一酸化炭素中毒です。一酸化炭素中毒は排ガスが車内に入り込むことで起きます。

 雪が降っておらず、開けた場所で、軽く風が吹いているような状況ならば、大量の排ガスが車内に入り込む可能性は低いのですが、雪が積もってクルマを覆ってしまったら、あっという間に排ガスが車内に入り込みます。雪が降っている際は、降雪の強さをみながら、マフラー部分に雪が埋まらないように除雪を行う必要があります。

 燃料がなくなってしまったら、エンジンを動かして暖をとることもできなくなります。万が一に備えて、寒冷地ではギリギリまで燃料補給を遅らせるようなことはせず、半分程度減ったら給油するようにしましょう。

 長期戦が予想される際は、近くに停車しているほかのクルマとの連携も大切です。1台のクルマにひとりずつ乗っている状態よりは、1台に2人、3人と乗車して燃料を使ったほうが効率的です。もし、そのクルマの燃料が底をついたら、次のクルマというように乗り継いでいけば、燃料を効率よく消費できます。

 完全に立ち往生した状態では、ハザードランプの点滅などの必要はないでしょう。真っ暗な状態で不安感がある場合は室内灯などを使うことをおすすめします。ただし、救援を待つための印としてハザードランプを使うのはありですし、ハザードランプ本来の役目でもあります。

 寒冷地でサイドブレーキを引きっぱなしにすると、サイドブレーキが凍りついて発進できなくなることもあるので、AT車の場合はPレンジに入れてサイドブレーキは解除しておいたほうが、救援後の動きがスムーズでしょう。MT車の場合、輪止めなどが使えるときはサイドブレーキ解除が正解です。

 エンジン車の場合はエアコンをオンにしておいても、さほど燃料を消費しませんが、より長く使えるようにするためにはエアコンはオフにしてヒーターのみを使います。こうするとコンプレッサーを回さずに、エンジンの排熱だけを利用することができます。

 電気自動車の場合はエンジンの排熱がないため、エアコンを使うと大量に電気を消費します。このため、電気自動車の場合はエアコンは使わずにシートヒーターに頼ったほうがいいでしょう。シャツを着た状態でシートに背中を密着させて、上着などで身体の前側を覆う(布団を掛けるような状態)にすると効率がいいでしょう。

 首都高の例もあるように、雪国でなくとも立ち往生は起きるのですから、クルマにはある程度のサバイバルグッズを搭載しておくのがいいでしょう。サバイバルグッズはいわゆる非常持ち出し袋のようなものがいいでしょう。

 サバイバルブランケットなどと呼ばれる軽量ブランケットは乗車定員分、飲み水も多めに用意しておくことをおすすめします。ウォッシャー液や冷却水の不足に備えてペットボトルに水を入れて積んでいる人がいますが、どうせ積むなら飲める水にしましょう。飲める水はいろいろなことに使えますが、飲めない水は用途が限られます。雪国で電気自動車を使う方は、電気毛布を用意しておくと万が一のときに少ない電力で暖を取れます。

【画像ギャラリー】雪道ドライブの注意点と立ち往生で覚えておきたいポイント(5枚)画像ギャラリー

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