2021年1~12月の販売台数を振り返ると、前年比40.3%増となる21万2927台を販売したヤリスが暦年の新車販売台数は初の1位を獲得。
一方、ホンダN-BOXは前年同月比3.6%減の18万8940台にとどまり、5年連続新車販売台数NO.1を阻止されたものの、軽販売では7年連続1位となった。
1位のヤリスで、1ヵ月平均1万7744台、2位のN-BOXは1ヵ月平均1万5745台。ただしヤリスの台数には、コンパクトカーのヤリスに加えて、SUVのヤリスクロスとスポーツモデルのGRヤリスも含まれる。一般的に考えて、ヤリスとヤリスクロスは別のクルマだろう。
そこで登録台数を別々に算出すると、両車とも同程度の売れ行きで、1ヵ月平均は8500~9000台弱だ。そうなるとユーザー目線で見た場合、ひとつのボディタイプで1万5955台を販売したN-BOXが国内販売の実質1位になる。
こうしてみると、N-BOXの強さが抜きんでているのがわかる。なぜこれほどN-BOXが大ヒットしているのか、その強さと弱点について、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/ベストカーweb編集部、ベストカー編集部、ホンダ
■根強い人気のN-BOXが一部改良
ホンダN-BOXが2021年12月に一部改良を実施して、スイッチによって操作できる電子制御式パーキングブレーキを採用した。この変更により、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールの機能も向上している。
従来は速度が時速25km未満まで下がるとクルーズコントロールの作動を終了したが、今は渋滞時まで含めて全車速追従型になった。
パーキングブレーキが電子制御式になると、追従走行中に停車した後、パーキングブレーキを自動的に作動させて停車を続けられるからだ。また2021年は、先代(初代)N-BOXの発売から10年後に当たるため、10周年記念の特別仕様車も設定した。
それにしてもN-BOXの人気は根強い。初代N-BOXは2011年に発売された後、2013年に初めて軽自動車の販売1位になった。この後、2015年以降7年連続で軽自動車の販売1位を守っている。
2017年には現行型にフルモデルチェンジされ、2017年から2020年までは、4連連続で小型/普通車まで含めた国内販売の総合1位も獲得した。2021年は、統計上ではヤリスが1位だが、前述の通り、ヤリスとヤリスクロスを別々に算出すれば、N-BOXが1位になるわけだ。
そのために2021年1~12月に国内で販売されたホンダ車の内、N-BOXが33%を占めた。N-WGNなども加えると、国内で売られたホンダ車の53%が軽自動車になる。
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