愛称が「死神」ってなにごと!? 超個性派な鉄道車両の愛称と由来に迫る

愛称が「死神」ってなにごと!? 超個性派な鉄道車両の愛称と由来に迫る

 「農道のNSX」ことホンダアクティは、ホンダを代表するスパースポーツのNSXと同じミッドシップレイアウトが由来だ。初代ブルーバードは、小型で縦長のテールランプの形状から「柿の種」、と呼ばれていたそうだ。

 自動車の場合、その見た目や特徴から由来するものが多いようだが、鉄道では車両の番号や形式などから由来した俗称で呼ばれることが多い。今回は、機関車を中心にその一例をご紹介する。

文、写真/成田颯一

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■「ニーナ」の愛称で人気なEF66-27号機

EF66-27号機。27という番号から『ニーナ』の愛称を持つ
EF66-27号機。27という番号から『ニーナ』の愛称を持つ

 鉄道ファンの中でも、「ニーナ」の愛称で人気なのがEF66型電気機関車の27号機だ。EF66は最高速度100km/hで1000t級高速貨物列車を単機でけん引可能な機関車として、1968年から登場。国鉄時代に試作機と55号機までが0番台として製造された。

 EF66はその数字の通りに「ロクロク」と呼ばれている。現在ではたったそのEF66の0番台も、今では1機のみとなった。そのうちいくつかの同型機は引退し、博物館やカットモデルとなっている。

 この27号機は、2と7から「ニーナ」と、まるでアイドルのような名前でファンの間では呼ばれており、貨物列車として走行する際には、駅や沿線で多くのファンが注目する。

 また、EF66の0番台は一時、寝台列車の牽引をしていたということもあって、いまは無きブルトレの牽引機の面影を、わずかながら残すということも人気の1つだ。実際に27号機が先頭に立ったことは少なく、代打的な役割で牽引したことがあったようだ。

 また、屋根上に労働環境の改善として冷房装置が設置され、外観は登場時とは変化している。

 普段は吹田機関区(大阪)に所属して運用されており、物流の大動脈である東海道本線を走って関東へやって来ることも多い。2021年のクリスマスには、東京メトロ有楽町線向けの新造車両を牽引して上京。

 鉄道ファンには、思わぬクリスマスプレゼントとなった。しかし、この27号機も1973年に製造で、すでに50年近くを経過している。一時は故障の噂が飛び交うなど、いつ引退を迎えてもおかしくない車両だ。

■「ピートップ」の愛称で親しまれるEF65-501

『ピートップ』『ピーワン』の愛称を持つEF65-501号機
『ピートップ』『ピーワン』の愛称を持つEF65-501号機

 シリアルナンバー1はいつでも、どの世界でも人気だ。鉄道車両、特に機関車においては、製造された順番に番号が付与されていくのが通例で、例えば、「EH500-3」であったら、EH-500形の3番目に製造された車両ということになる。

 特筆すべき点として、量産に向けて先行試作された製造された車両に901号機の番号をつけている点がある。901号機はファンの間では「クマイチ」と呼ばれており、熱心な貨物列車や機関車のファンの中には自身のクルマのナンバーを「・901」としている人がいるほどだ。

 中でもEF65-501号機は、番号こそ501だが「ピートップ」、「ピーワン」などと呼ぶ人が多い。ここでのPは、旅客用の機関車であることのPで「passenger」から由来している。501号機は、いくつかの番台区分があるEF65の中でも、高速旅客列車用の500番台という形式での1号機ということを意味している。

 500番台には他に16両が存在していたが、機関車牽引による旅客列車無き今、トップナンバーの機関車が残っているのは大変珍しい例だ。

 1月29日に品川駅構内で開催された、JR東日本主催の撮影会、「往年の名機、一堂に会す。」では、先述したEF66-27と久しぶりに品川駅へ入線。2日間の撮影会は抽選制で、その倍率も凄まじかったに違いないが、かつてのブルートレインの面影が残る機関車に多くのファンがカメラを向けた。

次ページは : ■「死神」と呼ばれる機関車たち

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