低燃費車、エコカー、ハイブリッド、EV……、いつのまにか、こんな時代になってしまいました。しかし、まだまだエンジンの時代は終わってません! そんな今こそ、気持ちのいいエンジンが載ったクルマに乗りませんか?
今後、排ガス規制がますます厳しくなってきて、気持ちのいいエンジンは消えていく運命にあります。絶版車の値段もさらに値段が上昇していくでしょう。
気持ちのいいエンジンって、たまんないですよね、ほんとに。ということで、ぜひ味わって欲しい、気持ちのいいエンジンが載ったクルマ9選をお届けします。
今乗らないで、いつ乗る?
文:鈴木直也/写真:編集部
フェラーリのエキゾーストサウンドはドライバーの脳をとろけさせる魅力があるなんて言われているが、それも過去の話になりつつある。
復活を噂されているディーノが直4ターボとか聞くと、多気筒高回転型エンジンの終焉も近いと思わざるを得ない。V8やV12の高性能エンジンに乗っておくなら今のうち。官能的なエンジンを手に入れるには、そろそろ最後のチャンスかもしれない。
フェラーリですらそうなんだから、われわれ一般人が乗るクルマはなおさら。エンジンだけで「買ってもいい!」と思えるようなクルマは、今ではほとんど絶滅危惧種だ。
■現行国産車では4車種!
現行国産車で真剣にパフォーマンスを追求したスポーツエンジンというと、R35GT−RのVR38DETT、レクサスGS Fの2UR−GSE、シビックタイプRのK20C、インプレッサSTIのEJ20くらい。このうち、GT−RとGS Fはそれなりに素晴らしいパワーフィールを堪能できる。
■R35GT-R/VR38DETT、3.8L、V6ツインターボ
現行GT-Rの2018年モデルに積まれているVR38DETTのスペックは570ps/65.0kgm。レースエンジンにもっとも近いパワーフィールで、3000rpm付近から劇的に加速感がエスカレートして景色がワープするような吹き上がり感。メカノイズ、排気音、タービン音などが渾然となった「ギョワーンッ」というサウンドも、音作りをしていないナマの高性能エンジンっぽくて凄みがある。
■レクサスGS F/2UR-FSE、5L、V8
一方の2UR−GSEは、さすがヤマハ製のエンジンだけあって、官能的なエキゾーストサウンドが魅力。低回転域ではV8特有 の骨太なビートを刻んでいるが、こちらは4000rpmあたりから音の波がそろって「クゥアーン!」という典型的な高回転NAサウンドが炸裂する。
どちらも、直線加速を楽しむだけでアタマがくらくらする刺激的なエンジンだ。ただし、この両車の1000万円を超える価格は庶民には高嶺の花。普通のサラリーマンに手が届くのは、頑張ってもシビックかインプレッサということになると思う。
■シビックタイプR/K20C、2L直4ターボ
現行シビックタイプRのK20Cは、ニュルのラップタイムを削り取るために生まれたエンジンだけに、ものすごくトルキーで使いやすいのが特徴だ。ターボエンジンだけにサウンドもそれほど過激ではなく、速さを感じさせない俊足が持ち味といえる。
逆に、それゆえ普段乗りにもぜんぜん困らず、拍子抜けするほど実用性が高い。皮肉なもので、それゆえ超高性能エンジンっぽいカリスマ性が希薄。現代の高性能ターボは、完成度を高めてゆくとこういうキャラクターになってゆくものらしい。
■スバルWRX STI/EJ20、2Lフラット4ターボ
その点では、設計年次が古いだけにインプレッサSTIのEJ20の方が古典的高性能エンジンっぽいワイルドさがある。回転の上昇とともに盛り上がるトルク は、回転上昇と加速感がシンクロするNAライクな心地よさ。高回転域で高まる「ギュィーン!」という金属的なサウンドも、雰囲気盛り上げにひと役買っている。
おそらく、このEJ20は、現行WRX STIに載るのは最後になると思う。次期WRX STIはFA20になると言われているから、乗るなら今ですゾ!
コメント
コメントの使い方ロータリー無いのかよ