2018年ももう8月中旬に突入し、気づけばあと4ヶ月半。ふり返ってみると上半期(1〜6月)にしぼっても、多くの新型車が登場しました。
そこで本企画では、その上半期に登場した注目新型車6車種をいっせいチェック。期待どおりだったか? 期待を超えたか? それとも……? 自動車ジャーナリストの岡本幸一郎氏にまとめて紹介&評価していただいた。
なお2018年下半期は、スズキジムニーがデビューしており、この先もホンダCR-Vなどが控えている。こちらも楽しみだ。
文:岡本幸一郎
■スズキクロスビー 2017年12月25日発売
(編集部注/実質的には2018年1月の初売りから販売開始なので本企画に組み入れました)
ハスラーのようなキャラで、もう少し大きなクルマが欲しいという声に応えて登場したクロスビーは、ハスラーが大きくなっただけでなく、あれこれ感心させられる点が多々ある。
まずデザインがイイ。
全体的に丸みをおびたボディパネルや前後のブリスターフェンダーなど、軽自動車枠の制約から解放されたことで自由度が大幅に増したスタイリングは、ハスラーとは意外と雰囲気が違って見える。大きくなったといってもコンパクトであることには違いなく、そのわりに室内はけっこう広い。後席のシートアレンジやトランクの使い勝手もよく考えられている。
スズキ独自のISG(モーター機能付発電機)を備えたエンジンに、このクラスでは少数派のトルコンATを組み合わせる点もポイントが高く、動力性能や燃費もまずまずだ。
乗り手を選ぶキャラゆえ販売台数は(デビュー当初の絶好調な売れ行きに比べると)やや伸び悩んでいるようにも見えるが、クルマ自体の完成度はなかなか高い。
予想よりもよかったという意味で、期待値を100点とすると…110点
■日産セレナe-POWER 2018年3月1日発売
とにかくセレナのユーティリティはスゴイ! クラスナンバーワンの広い室内空間に、これでもかというほど多彩なシートアレンジは圧巻だ。収納やUSB電源などもいたれりつくせり。本当に使う人の身になってよく考えられている。
そんなセレナに大評判の「e-POWER」という無敵の組み合わせなのだが、モーターならではのリニアな加速は乗りやすい半面、車速が高まると加速が伸びず頭打ちになる感あり。1.2Lエンジンにセレナの車両重量では荷が重すぎたのか?
また、肝心の実燃費が期待したほどよろしくなく、エンジンがかかったときの音が3気筒丸出しでちょっとショボイのも気になるし、価格にもやや割高感がある。
むろんエンジンは頻繁に止まるし、発進~停止を繰り返す市街地では本当に乗りやすく、ワンペダルドライブやプロパイロットなど他にはない価値を身に着けているのが強みであることには違いないのだが、期待値がそれだけ大きかったという意味で、期待値を100点とすると…88点
■三菱エクリプスクロス 2018年3月1日発売
SUVにもいろいろあるが、エクリプスクロスのように万能なSUVクーペというのはありそうでなかった。
思うに、クーペしすぎていないところがイイ。極端にリアが寝かされていないので、後席の乗降性も悪くないし、しっかり座れる空間も確保されているし、200mmもの前後スライドや9段階ものリクライニングができて、ヘッドクリアランスも十分に確保されている。
上下2枚に分かれたリアウインドウのおかげで後方視界もバッチリだ。走りについても、世にあるSUVクーペはスポーティな走りを意識した結果、乗り心地が硬くなっているものが少なくないが、エクリプスクロスは俊敏なフットワークを持ちながらも快適性にも優れるところもよい。
S-AWCによる意のままのハンドリングも気持ちがよい。1.5Lターボエンジンの動力性能も大きな不満はない。
むろん多少のプラスマイナスはあるが、期待どおりよくできていたので、期待値を100点とすると…100点
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