日本国内でEV販売が本格化する2022年。夏前には日産と三菱自動車の電気軽自動車が発売となる。さらにはトヨタ bZ4X、スバル ソルテラも控える。
しかし自動車メーカーがいくら本気で作り売ったところで、ユーザーが購入しなければ普及しない。日本でのEV普及のカギを国沢光宏氏が解説する。
※本稿は2022年2月のものです
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(メイン写真=Buffaloboy@AdobeStock)
初出/ベストカー2022年3月26日号『クルマの達人になる』より
■補助金込で170〜200万円? もっといく?? EV普及に向けて気になる軽EVの価格
夏前に日産と三菱自動車の電気軽自動車が発売となる。
価格についちゃ補助金の拡大でグダグダですが。ちなみに補助金20万円の時に「補助金を使えば200万円くらい」と言われていた。だとすると車両価格220万円。
なのに補助金50万円が発表された後に開催された今年のオートサロンで、TV取材に対し三菱自動車の営業部門の人が「補助金使うと200万円程度」。
なんと30万円値上げした? 補助金の増額で値上げしなければ170万円! 東京都は別個に45万円出ます。
スケベ根性出さず昨年まで計画していた価格なら、安価な電気料金とガソリン代の差を考えたら140万円級の軽自動車と同等。
東京都だと100万円の軽自動車と同じくらいになってしまう。どう考えたって売れますワな。
といった具合で、電気軽自動車は価格が普及のカギを握っていると思う。そんなタイミングでスズキも電気軽自動車を開発しているようだ。
御存知のとおり軽自動車はトヨタのもとでダイハツとスズキでアライアンスを結んでいる。
スズキが開発したアーキテクチャー(プラットフォームやモーター、電池などの基本構造)をダイハツも使うことで量産効果を生む。
スタート時点から日産と三菱自動車の生産台数より多くなるため、価格だって安くできるポテンシャルを持つ。
おそらく日産と三菱自動車が昨年までアナウンスしていた「20万円の補助金を使えば200万円」を基準にしていると思われる。補助金使わないと車両価格220万円ということ。この価格、充分可能だと考えていい。
困ったことにスズキやダイハツのスクープ情報、ほとんど入ってこない。なぜかといえば、クルマ好きの興味対象じゃないため、メディアも積極的に情報収集しないからだ。
そもそも日産や三菱自動車に電気軽自動車先行されたら環境対応に出遅れたイメージを与えてしまう。常識的に考えると開発は相当進んでいるのかもしれません。今年の秋までにプロトタイプなど発表するんじゃなかろうか。
仮に補助金込み170万円で買えれば、世界に比べ出遅れていた電気自動車の普及がググッと進む。スバル360やホンダN360でモータリゼーションが開花したことを思い出します(笑)。
今や地方に行くとガソリンスタンドなど減ってしまい、給油するのに20分以上走る地域だって出てきた。
加えて軽自動車は1日あたりの移動距離が短いため、電気自動車への代替も容易。便利だという評判になったらイッキに売れ始めるような気がします。
軽商用車も同じ。すでに三菱自動車はミニキャブMiEVの生産再開を決めている。大幅値下げになるようだ。
もちろんスズキとダイハツだって電気軽商用車(軽バンと軽トラック)の開発を進めている。これまた補助金使って150万円を切ってきたら、爆発的な普及が始まるんじゃなかろうか。
このジャンル、中国製の商用車も入り始めているいるけれど、150万円で耐久性のある日本製電気軽商用車が出てきたら、もはや参入の余地はないと考えます。
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