2012年、日産自動車エンジニア(当時)によるボランティア活動から生まれた、田んぼの抑草ロボット「アイガモロボ」。2019年に事業化され、井関農機(愛媛県)の協力を得て、いよいよ2023年の販売化が決まった。
販売開始に向け、専門学校HALにおいてデザインコンペが開催され、外装デザインが決定。井関農機の夢ある農業総合研究所(茨城県)で行われた表彰式では、プロトタイプの実演も行われた。早速リポートするぞ!
文・写真/江藤誌惠
【画像ギャラリー】田んぼを泳ぐかわいい「アイガモロボ」はコチラ!(5枚)画像ギャラリー田んぼを一生懸命泳ぐカモをイメージしてデザイン
アイガモロボのデザインコンペで見事優勝したのは、IT・デジタルコンテンツを学ぶ専門学校HAL、カーデザイン学科3年生の中村哲さんがデザインした「ぺたんかも」。審査で「日本全国の圃場に浮かんでいるイメージにピッタリ」として金賞受賞となった。
「見た人が『一生懸命がんばって泳いでいるね、かわいいね』と思ってもらえるような、元気を与えられるデザインにしようと考えました。アイガモロボはソーラーパネルを搭載しているため、その性能を損なわないようにつるんとした平らな形にし、稲を傷つけないようゆっくり動くので、ぺたんとした眠そうなぬいぐるみをイメージしてデザインしました。
難しかったのは角の処理。単にかわいらしいだけでなく、少し角張らせることでロボットらしさを主張しました。『ぺたんかも』と名付け、見る人を和ませる存在になることを期待しています」(金賞受賞の中村哲さん)。
社会人経験を生かし、使い手の気持ちを強く意識
中村さんは30歳。デザインとまったく関係のない仕事をしていたところ、クルマを自分自身で作ってみたいと思い、専門学校HALへ。工業用粘土や3Dモデリングソフトを使ってスケッチから実際に立体プロダクトを制作する「モデラー」を目指しているという。今回のアイガモロボに中村さんのデザインが採用されたのは、そんな社会人経験が生かされたからなのだろうか。
「そうかもしれませんね。使い手がどんな思いでこの商品を使うのか、使う人たちが何を望んでいるのかを強く意識してデザインしましたから」と答えてくれた。
コメント
コメントの使い方