電気自動車で世界最大手の米テスラ。今のところ電動バイクに関して静観の構えを取っているが、今後、二輪マーケットに打って出る可能性を探ってみた。
――調べてみると、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は、若い頃にバイクで事故を起こしており、どうやらバイク自体に否定的のようだが……!
文/沼尾宏明、写真/TESLA他
【画像ギャラリー】まるでアキラ? モデルMのメーターはまさに未来のバイク(2枚)画像ギャラリー何かとお騒がせなイーロン・マスク氏がクルマの未来について語った
テスラで自動車業界に革命を起こし、宇宙開発事業への進出、ツイッターの買収、世界長者番付1位etc……何かと話題に事欠かないイーロン・マスク氏。5月10日(現地時間)に実施されたインタビューで、電動スクーターなどマイクロモビリティの市販化に関する質問を受け、今後の見通しを語った。
インタビューを行ったのは英Financial Times。オンラインセミナーのFT Liveで「Future of the Car」と題し、マスク氏が出演した。現在、youtubeで動画が公開されており、1時間20分にわたる興味深いトークが繰り広げられている。
電動スクーターの市販化を訊ねられ、「デンジャラス」と一蹴したマスク氏
電動スクーターに関する質問は動画の56分頃から。モデル3より小さく手頃なスクーターなど電動マイクロモビリティに参入する可能性について聞かれると、マスク氏は「スクーターは非常に危険」と第一声。
「スクーターとクルマが走っている状態で、スクーターを運転することはお勧めしません」と答え、司会者に改めて質問されると「近い将来、モデル3より小さいEVを販売する予定はあります」と回答した。
具体的な明言は避けた形だが、どうやら「モデル3より小さいEV」はスクーターなどの二輪車ではなさそうだ。
テスラは、2003年7月の創業から現在まで電動バイクを発売していない。世界的に見ても、バイクはまだまだ内燃機関がメインストリーム。アジア圏などで電動バイクは普及し始めているが、大手二輪メーカーから決定版と言えるモデルは未登場。もちろん、テスラのように一人勝ちしているEVバイクメーカーも現れていないのが現状だ。
その後、筆者はテスラ・アジアパシフィックの「プレス」宛てに、電動バイクに関する今後の動向や見解をメールで質問したが、執筆時点の5月26日で回答はない。ちなみにテスラの広報部門は2020年に解散された(広報がない二輪&四輪メーカーは前代未聞である)。
また、イーロン・マスク氏のツイッター(@elonmusk)に、ダメ元で同様の質問をアットツイートしたものの、やはりなしのつぶてである。
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