約半年ぶり国内復活を果たしたエスクード。ハイブリッドとなったが、正直足もとの販売台数を見ても決して売れているワケでもない。再販ってマジで必要だった? と思うほど。
しかも売れ線のヤリスクロスやヴェゼルといったライバルと比べても取り立てて推せる点もないのも事実。初代エスクードは爆発的に売れたものの、現行モデルはシリーズ初のフルモノコックボディとなり、完全に昔の姿カタチとはかけ離れてしまっているのだ。
でもエスクードは今大人気のコンパクトSUV市場の立役者でもあり、無くしてはならないモデルでもある。そこで見事原点回帰を果たした超絶人気のジムニーから、エスクードのあるべき姿を考えてみた!!
文/小沢コージ、写真/森山良雄、SUZUKI
■しっかりジムニーのアニキ分でした! ただし2代目までは
スズキ エスクード。今や微妙人気の新型SUVですがアラフィフ世代にはヤケに懐かしく響くヤツです。それなりにビッグネームで。なぜなら存在感が独特で、デカくなりがちなクロカンながらも不思議と扱い易さをキープしてたから。
なかなかニッポン人ユーザーを見捨てないのが魅力で、特に1988年に生まれの初代は全長3.5m強×全幅1.6m強の扱い易さ。それでいて貴重なボクシーデザイン&本格ラダーフレーム構造もあって結構売れてました。
ぶっちゃけ当時人気絶頂のパジェロに引きずられ、オッサン世代が「なんとなく気になる」SUVであり続けたのです。ネーミングやバリエーションセンスも悪くなく、エスクードという異国情調を漂わせる名前に当時人気アウトドアギアのヘリーハンセンリミテッドやゴールドウィンリミテッドも魅力的。
なにより当初は3ドアでしたが、90年にはホイールベースを延長したエスクードノマドまで登場!
“ノマド”って響きもレアでカッコ良かった〜そういう意味では当時のトヨタスプリンターカリブ同様、ネーミングに適度な遊び心やムードあり。当時は完璧にジムニーのアニキ分だったと思います。存在感もラダーフレーム構造も。
■何度もキャラ変も現行モデルで大幅チェンジ! 今やフルモノコックに
しかしエスクードは欧州戦略車という側面もあって、2003年から微妙にキャラ変。
コンパクトなSUVってとこは一緒だけど、当時のクロスオーバーSUVの波に引っ張られ、3代目でラダーフレーム一体型モノコックボディに変更。パートタイム4WDもフルタイム4WDとなり、その勢いで現行4代目は完全にクロスオーバー4WD化!
骨格を乗用車ベースのSX-4Sクロスと共通化した上、同じく欧州ハンガリー工場産のスズキブランド輸入車となって、今に至ってるわけです。
もちろん変わらずイイ所はあります。全長4.1m強×全幅1.8m弱とデカ過ぎない欧州サイズに、ナンパに流され過ぎない骨太ランドローバー的フォルム。直線基調は守っているし、それでいて内装はスズキ車的にはリッチ。メタリック調パネルも入り、本革ステアリング標準。
シートは本革とファブリックのコンビで、座り心地もヨーロッパ車っぽく背筋がビシっと伸び、もも裏をしっかり支えるキモチのいいもの。
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