まだジムニーの兄貴分なのか? 奇跡の大復活エスクードは日本で通用するのか

■ヤリスクロスたちには少々劣る……ならばいっそジムニーデザインがいいのでは!?

2022年、ハイブリッドとなって復活をはたした現行型エスクード
2022年、ハイブリッドとなって復活をはたした現行型エスクード

 乗り心地やハンドリングも欧州風に固めでなおかつしっかり路面をトレースする本格派。4駆システムもスズキ独自の電子制御を持つ「ALL GRIP」採用でした。

 ただ、問題はパワートレイン戦略で国内デビュー時はハイブリッドなしの1.6Lのみ。その後1.4Lターボも追加されましたが、結局価格高めで販売ふるわず。去年10月には1度国内から撤退しました。

 ところが今年4月、約半年ぶりに突如復活! 独自の1.5Lハイブリッド初搭載で、スズキも、電動化に本気になったか? と思わされましたが、乗ってみるとガチで売り抜こうというより、独自ハイブリッドのテスト販売的イメージも強いもよう。

 そもそもハイブリッドシステムからして非常にマイナーかつ独特。一般的なスターターモーターをハイブリッド用に転用するマイルドハイブリッドとも、トヨタのストロングハイブリッドとも違う独自のシングルクラッチミッション=AGS(オート・ギア・シフト)方式なのです。

 元々2016年にスズキ ソリオ初搭載。その後スイフトに載せましたが価格的にも燃費的にもさほど旨みはなく泣かず飛ばず。しかし今回それをしぶとくブラッシュアップしてエスクードに載せてみました! ってのが真相。

 色んなチャレンジは確かになされてて、エンジンはかつての1.4Lターボからより効率的な101psの1.5ノンターボに変更。バッテリー容量を上げると同時にモーターパワーも33.4psにアップ。

 電動感を高めて、ギアボックスも5速AGSから6速AGSへ多段化して効率もアップ。実際に乗ってみると全体の電動感は増してるし、スタート時は今まで以上に滑らか。

 しかし競合と冷静に見比べちゃうとトヨタハイブリッドほどの電動感はないし、シングルクラッチゆえのギクシャク感は残ってるし、エンジンとの長所補完関係もさほどだから、WLTCモード燃費は19.6km/Lとほどほど。

 同じ全長4.1m台SUVのヤリスクロスハイブリッドに大きく負け越した上、価格も297万円とヤリクロより下手すると40~50万円は高い設定。

 ぶっちゃけヤリクロより価格高くて燃費も悪く、走りはギクシャク。独特のシャッキリした走りは魅力ですけど、ある意味開発途上のスズキハイブリッド技術のチャレンジカーではあるのです。

 もちろんこの電動&省燃費化時代、独自ハイブリッド開発も続けなきゃいけないし、軽量モノコック化の波に推されたのも仕方のないところ。

 とはいえ強力な電動SUVライバル目白押しな今、無いものねだりをするならばあえて時代に棹を指し、思い切って5ドアジムニーと兼用のラダーフレームを持つ“ちょいデカジムニー別バージョン”を目指してもよかったかと。それしかエスクードには勝機はないかもしれませんね。勝手なる個人的願望ですけど(苦笑)

【画像ギャラリー】エスクードも初代回帰がいいでのは!? 復活した現行モデルと歴代モデルをイッキ見(18枚)画像ギャラリー

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