いよいよ走り出した新型フェアレディZ。五月晴れのなか、新緑萌えるさわやかな光を浴びて疾走する姿は『フェアレディ』=淑女の名にふさわしく、輝いている。
ドライブするのは、“Zの柳田”として名を馳せた柳田春人氏。
フェアレディZはその内に秘めた熱い情熱を、その使い手として手練れの柳田氏によって引き出され、最高のパートナーとして、余すことなくパフォーマンスを発揮する。
コックピットで満面の笑みをたたえる柳田氏。そのパフォーマンスにさらなる期待が膨らむ。
※本稿は2022年5月のものです
文/ベストカー編集部、写真/NISSAN、ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
■期待の新型フェアレディZ さらに細部を徹底解剖する
4月25日に価格が発表され、受注が開始された新型フェアレディZ。
最廉価の標準グレードは524万1500円で、6速MTと、新開発された9速AT搭載車の価格は同一となるのがポイントだ。
この標準グレードと最上級のバージョンSTには6MT、9ATの両方が設定される一方、バージョンSはMTのみ、バージョンTはATのみというグレード構成。
エンジンは405ps/48.4kgmを発揮するV6、3LツインターボのVR30DDTTで、全グレード、MT仕様、AT仕様ともにエンジンスペックに差異はない。
さて、この524万1500円からという価格だが、内容を考えれば「割安」だ。
全モデルカーナビシステムは標準装備となっている。さらにバージョンSTではBOSEサウンドシステムが標準設定だ。LEDヘッドライトやインテリジェントクルーズコントロール、さらにいわゆる衝突安全装備はフル装備だ。
ブレーキはバージョンS/STの対向ピストンキャリパーの大型ブレーキに対し、標準グレードはフロートキャリパータイプになるが、18インチアルミホイールが装着される。
タイヤサイズは前後245/45R18。バージョンS/STではこれがレイズ製19インチ鍛造アルミとなり、F:255/40R19、R:275/35R19となりメカニカルLSDが装着されるのだが、18インチでも不足はない。
タイヤは18インチ、19インチともに専用開発で、操安性能はもちろんだが、静粛性も徹底したこだわりを持って追求した。
「高速走行時にも室内で普通に会話できる静粛性」を実現するため、すべてのタイヤに吸音スポンジを採用。これにより特に高周波の“シャー”音を劇的に低減したという。
また、アルミホイールのねじり剛性を高めることで、低周波の“ゴー音”を低減した。もちろんこれは通過騒音の低減にも大きく寄与するのだが、それ以上にGTカーとして室内の快適性の追求が命題だったという。
9速ATは乗用車用としては日産初のATで、Zのために専用ギア比を設定して新開発。
3ペダルの6速MTを操って走らせる楽しさももちろん大きいのだが、「9速AT、相当いいよ!!」という柳田氏の言葉のとおり、クロスレシオのギア段となるため、エンジンのおいしいゾーンを引き出しつつ、ロングドライブでは燃費のよさにも効いてくる。
実際、WLTCモード燃費はMT仕様の9.5km/Lに対しAT仕様は10.2km/L。MT、ATそれぞれの魅力がありそうだ。
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