2022年7月1日、トヨタが公式ホームページにおいて、新型ランドクルーザー300の受注停止を発表した。納車待ちの長期化は以前からたびたび報じられていたが、ここまでの対応は異例。その内容はどんなものか、合わせてディーラーで話も聞いてきたので紹介していこう。
文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ
■トヨタが正式に新型ランドクルーザーの受注停止を発表
新型ランドクルーザーの納期は4年以上に伸びており、5年にもなるのではないかと噂されていたが、7月1日、トヨタが公式ホームページにおいて、新型ランドクルーザーの受注停止を明らかにした。以下、テキスト部分を抜粋する。
「弊社車両をご検討いただき、誠にありがとうございます。
ランドクルーザーは、日本のみならず世界各国でも大変ご好評いただいており
生産能力を大幅に上回るご注文をいただいているため、
現在ご注文を停止させていただいております。
ご注文再開につきましては、今後の生産状況等を踏まえ、改めてご案内申し上げます。
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますよう、
よろしくお願い申し上げます」
■2022年6月下旬にはディーラーから受注停止が告げられていた
当編集部では、新型ランクル300を6月中旬に注文したという知人から「そろそろ受注停止になるらしい」という話を聞いていた。以下その内容を簡単にまとめてお伝えする。
「営業マンの話では、ランクルの納期がいまや4年以上に伸びており、もうすぐ5年にもなるかもしれない、という状況のようです。そうなると納車を待っている間に装備や仕様が変わる一部改良やマイナーチェンジが行われる可能性が高く、お客さんに迷惑がかかる可能性があるため、2022年6月いっぱいでいったん受注を停止する、という通達がメーカーから連絡があったそうです」
とのこと。
知人がディーラーに訪れたのは2022年6月中旬であり、その時点でまだ受注を受け付けていたので、ZXディーゼルをその場で注文をしたそうだ。その際には営業マンから新型ランクル300ならではの制約があったという。苦笑しながらこう話してくれた。
「基本的には、発売から4年経って一部改良などで装備が変更されても注文したグレード、装備のものが納車されるらしいです。でも、契約書には装備が変更された車種になってもご了承くださいとのことでした(どちらになっても文句言うなということだろう)。
噂で聞いていた、海外および国内の転売禁止の誓約書にも署名することになりました。思わず吹き出してしまいそうになったのは、営業マンの手元に”海外転売禁止の徹底”というマニュアルがあったこと。
結局、職業とかいろいろ細かいことも聞かれて契約しました。ビックリしたのは”申込金100万円を振り込んでください”と言われたこと。納車が4年以上も先なのに、え、そんなに? と聞くと、少々お待ちくださいと奥へ行って、再び上司と一緒に来て、その上司から、”今まで申し込み金は300万円だったんです、でも100万円に下げました”と言われました。そこまでお金は払えませんよと言うと、結局”30万円で結構です”という話になりました」。
申し込み金100万円にはさすがに驚いた。結局、知人は予約金を振り込んだそうだが、「人のよさそうな営業マンが、顧客に対して疑心暗鬼になっていて、とても困惑していた様子がかわいそうだった」とのこと。
転売禁止の誓約書にサインをさせているにも関わらず、中古車市場を見ると(本来の新車価格は約800万円のクルマが)1800万~3000万円で売られているのだから、無理もない。
実際、4年以上の納車待ちの間に心変わりをする人が出てきそうだが、その際には申し込み金は無償で返金されるそうだ。
転売禁止の誓約書、多額の申し込み金……、今回の受注停止で中古車価格はさらに値上がりしそうでもある。ランクル300の今後どうなるのか、引き続き追っていきたい。
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