トヨタが2026年のラインオフに向けて、純EVスポーツカーの開発を本格化させているという情報が入ってきた。
このニュースのポイントは、その開発現場にマツダのエンジニアが参加しているらしい…ということだ。
令和の時代、1メーカーが単独でスポーツカー開発を成し遂げることは難しく(そのためトヨタはBMWやスバルと協業した実績がある)、トヨタとマツダが共同でスポーツカー開発にあたるというのは、(驚きではあるが)ありえない話ではない。
さらには、マツダがこのプラットフォームを使い、RX-7の後継モデルとなるロータリースポーツを計画しているという情報もある。
今回はこの「RX-7後継モデル」について、現時点で当編集部に入っている情報を整理してお伝えしたい。
※本稿は2022年6月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/MAZDA、HONDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年7月10日号
■「マツダ+トヨタ」で悲願のREスポーツ復活が成る?
ベース開発はトヨタが行っているが、トヨタはマツダの開発能力を高く評価しており、共同開発レベルではないにしても折に触れて意見を求めている可能性はある。
マツダとしても単独で新たなスポーツカーを開発するのは難しいが、トヨタと協業できるならハードルは下がり、互いにメリットがある。
驚くべきは、マツダがこのBEVスポーツのプラットフォームを使って、RX-7の後継モデルとなるロータリースポーツを計画しているという情報もあることだ。
ロータリーといってもガソリン車ではなくレンジエクステンダーEV。
ロータリーエンジン(RE)を発電専用に使い、モーターのみで駆動するシリーズハイブリッドで、バッテリーやモーターはGRのBEVスポーツのものを使うというものだ。
これならバッテリーを大幅に減らし、GR版よりも軽量なモデルが作れる。RX-7の後継となるなら駆動方式は後輪駆動だろう。
■マツダとトヨタ、「利害の一致」から新たなステージへ?
マツダにとってREスポーツの復活は悲願のようなもの。水素ロータリーの開発も進んでいると言われるが、タンク容量が大きくなる水素燃料が乗用車に使えるかどうか不透明。
それよりも開発が始まったトヨタのBEVプラットフォームを使えるなら、そのほうが実現可能性は高いという判断だろう。
ロータリーレンジエクステンダーEVは10年以上の開発期間を経ており、2013年にはデミオに搭載した試作車も披露されている。
スポーツカーに使うためにはまた別の技術が必要になるが、開発のメドがついているのは大きい。
RX-7後継にふさわしい走りを実現するには発電用REの高出力化が必要で、マルチローター+過給器の可能性もありそうだ。発電用とはいえ、加速時などではロータリー独特の鼓動が味わえ、BEVとは違った走行フィールを楽しめそう。
トヨタGRはBEVで、マツダはロータリーEVで目指す新時代のピュアスポーツ。日本のスポーツカーは新たな局面を迎えることになる。
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