梅雨明け宣言後、全国各地で猛暑日が続く今年。当然車内も灼熱地獄となり、冷えるまでかなり厳しい状況に置かれてしまう。
そこで停車中に使うのがサンシェードである。夏場のショッピングセンターや海水浴場の駐車場で使用している人をよく見かけるアレだ。でも、これは気休めではなく、本当に効くのか!?
文/青山尚暉、写真/青山尚暉、AdobeStock(トップ画像=aapsky@AdobeStock)
■たった30分で車内は45度に!? 真夏の車内は危険すぎるぜ
真夏、屋外駐車のクルマに乗り込むと、車内は灼熱の世界。一気に汗が吹き出してしまうことがある。ステアリングなど、フロント&サイドウィンドウからの直射日光を受け、触れないほど熱くなっていたりする。
今ではスマホによるリモートエアコン操作ができ、あらかじめ車内のエアコンを効かせておくことができるクルマもあるにはあるが、ほとんどの場合、乗り込んだ直後はオーブンの中に入るような暑さと戦うことになる。
そこで夏、多くの人が使うのが、フロントウィンドウ内側に付けるサンシェードだ。しかし、サンシェードは車内温度の上昇に、本当に効果があるのだろうか。
実際、東京が35度を記録した日に、フロントウィンドウ内側にサンシェードを付けていたクルマに乗り込んでみると、熱さ全開!! たまったもんじゃありませんでした。
ここで、JAFによる真夏の車内温度試験のデータを引用させてもらうと、8月の晴天で外気温35℃の状況下において、昼12時~16時の4時間、車内温度を測定すると、窓を閉め切った車両(黒色ボディ)では、エンジンを停止させてわずか30分後の12時30分頃には車内温度が約45℃に達したという。その後も上昇を続け、15時頃には55℃を超えたというのだから、恐ろしすぎる。
同じくJAFの試験によれば、クルマの窓を3cm程度開けた状態の車両でも、30分後の車内温度は約40℃。15時の時点では約45℃と若干の低下がみられたものの、それでも車内に留まるには厳しい車内温度となっていたという。
■サンシェード使用でダッシュボードの温度は下がるも、さほど効果なし
また、JAFはフロントガラス前面を覆うサンシェードと呼ばれる用品で覆った状態での試験も行っているのだが、直射日光を遮る効果は高いものの、車内温度抑制効果にはあまり効果がないことが分かったという。
具体的にJAFの試験データを引用すると、上記の条件下において、白いボディの車内最高温度は52℃、平均温度47℃、ダッシュボード温度74℃。黒いボディのクルマになると、熱を吸収しやすいのか、車内最高温度57℃、平均温度51℃、ダッシュボード温度79℃と、白いボディよりさらに車内の温度が上昇していることが分かる。
一方、フロントウィンドウ前面を覆うサンシェードを装着したクルマの車内は最高温度50℃、平均温度45℃、ダッシュボード温度52℃と、サンシェードで覆われたダッシュボードの温度は低下しているデータとなっている。ダッシュボード周りに限れば、サンシェードの効果は認められたというわけだ(その差20℃以上も!!)。
とはいえ、50℃前後の車内には変わりなく、シートに座る、ステアリングを握るいずれにしても、熱さとの戦いだ。窓を3cm開けた場合でも、最高温度45℃、平均温度42℃、ダッシュボード75℃と、大きな違いは、ない……。
エアコンを作動させるとどうなるか。最高温度27℃、平均温度26℃、ダッシュボード温度61℃と、今度はダッシュボード以外の場所の温度が一気に低下。しかしながらステアリングを握ると、これまた熱い、熱い……。運転どころではないだろう。
しかも、エアコンで適温が保たれている車内でも、エンジン停止から約5分で車内温度は5℃上昇。15分後には熱中症指数が危険レベルに達したというのだ。ちょっとクルマを離れるだけなので、子供やペットを車内に残しても……は厳禁である!! 命にかかわる危険行為となるため、絶対にやってはいけない。気温22.7℃の比較的過ごしやすい外気温の日でも、クルマに直射日光が当たっていると、車内温度は一気に上昇するのだから。
コメント
コメントの使い方