夏休みは家族旅行や友人たちとの旅行など、同乗者を乗せる機会が増える時期。そんな時に気になるのが「クルマ酔い」。ひとりでもクルマ酔いで体調不良になったりすればクルマ酔いをした本人はもちろんのこと、参加者全員の旅を楽しもうという気持ちもダウンしてしまう……。
そんなさみしい事態に陥らないために、クルマ酔いの防止策、酔ってしまった時の対処法を紹介する。ドライブや旅に出かける前にチェックしておけば安心な情報満載だ。
文/室井 圭、写真/写真AC
【画像ギャラリー】クルマ酔いの不安なしで旅が楽しめる豆知識(13枚)画像ギャラリークルマ酔いの原因は「耳と目からの情報のズレ
まずはクルマ酔いのメカニズムを簡単に解説しよう。
クルマに乗っている時に感じる加速感、揺れ、コーナリングなどにともなう体の動きは内耳にある三半規管や耳石器が感知し、その情報が脳に伝えられる。これと同時に脳には目からの視覚情報も伝えられる。しかし、急加減速などで体が予想外の動きをすると目はその激しい動きについていけず、視覚情報は体の動きとは大きく乖離したものとなってしまう。
例えば、耳からは体が激しく動いている情報が送られてきているのに、目からの情報は静止画だったりするということだ。
このように脳は耳と目から送られてくる「情報のズレ」が大きいとそれを不快と感じ、内臓の動きを調整する働きを持つ自律神経を刺激する。すると自律神経の働きが低下してしまい、その結果として現れるのが、吐き気、ふらつき、頭痛などの症状だ。こういったしくみから、「動揺病」や「加速病」と呼ばれることもある。
運転している人でもクルマ酔いをする
運転している人はクルマ酔いしないと思っている人は多いだろう。しかし、意外にもプロドライバーのなかにはクルマ酔いに悩まされるドライバーも多く、なかには、業務継続が難しくなるような症状に悩まされる人もいるという。
ただし、同乗者よりは運転者は圧倒的にクルマ酔いしにくいというのは事実。その理由は、運転手は自分でハンドルを切ったり、ブレーキやアクセルを踏んでいるため、よほどの緊急事態ではない限り体が想定外の動きをしたりすることがなく、耳と目から入ってくる情報とのズレが生じにくいためだ。
では、運転者がクルマ酔いしてしまう原因はどこにあるのか?
最大の原因は疲れ。特に、クルマ酔いの原因となる自律神経の乱れをもたらす睡眠不足は大敵だ。睡眠不足による体調不良は自覚できない場合も多いので、長距離を運転する予定があるという場合には、前日には十分な睡眠時間を確保しよう。睡眠時間の目安は7時間前後と言われている。
また、過度の空腹状態もクルマ酔いのきっかけになる。空腹になると血液中の糖の量が減り、血糖値が低下してしまう。すると、脳の働きが低下して、ちょっとしたズレにも対応できなくなってしまうのだ。長時間食事ができない、お腹が鳴るくらい空腹になった場合は、飴やチョコレートを口に含むと血糖値の低下を防げる。
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