毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
販売好調が続くサクラ&eKクロスEV。納期が伸びたことで補助金が間に合わない可能性も? 他メーカーはどう打って出るのか? またトヨタではカローラシリーズを始めとした一部モデルでガソリンエンジン整理の方針を打ち出した模様。
ほか、トヨタ プリウス、日産 セレナ、ホンダ シビックe:HEVなどの最新情報など、国内メーカーの最新情報をご紹介!!
※本稿は2022年7月のものです
文/遠藤徹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年8月10日号
■日産、新型軽EVのサクラは絶好調で納期は来年に
新型軽電気自動車のサクラが絶好調の販売推移を見せています。先行予約から約3週間で1万台以上の受注があり、その後も受注ピッチはさらに加速している状況です。
ガソリン車のデイズは月販3500台ほど売れていますが、サクラの売れゆきはこれを上回る勢いとなっています。
販売好調のため、納期は6月下旬現在で来年と、延びてきています。そうなると、来年2月までの予算枠である55万円の国の補助金には、間に合わない可能性があります。
■三菱の電気軽自動車、eKクロスEVも好調な滑り出し
三菱自動車が6月16日に売り出した軽自動車ベース電気自動車のeKクロスEVが好調な滑り出しで売れています。
月販目標の850台に対し、先行注文開始からの約1カ月でその4倍にあたる3400台を受注しました。これによって納期は6月下旬現在、来年にまでずれ込む状況になっています。
ちなみに車両本体からの値引きはゼロで、用品サービスの5万円引き程度で購入するユーザーが多い状況です。
■日産&三菱による軽EVのヒットで他社も相次ぎ追随
日産&三菱自動車連合による新型電気軽自動車のサクラとeKクロスEVの販売が好調ですが、ダイハツ、スズキ、ホンダも今後相次いで軽EVの生産に追随する計画です。
軽自動車ユーザーは比較的短距離の移動が多いため、航続距離180km程度のEVでも充分に普及が可能であると考えられます。いずれは販売台数がガソリン車並みに拡大し、軽自動車はEVが主流になる可能性もあります。
そのため、ライバル3メーカーも早急に軽EVの開発を進めているのはほぼ確実といえます。
各社間の技術開発競争は性能の向上やコストダウンにもつながり、これが軽EV普及をさらに後押しすることは間違いありません。
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