昔のクルマの室内は、夜になると基本的に真っ暗だった。うっかり100円玉なんか落とせば大変な騒ぎで、グローブボックスから懐中電灯取り出して、友達と車内を大捜索したりしたもんだ。
ところがいまのクルマは夜もほんのりと明るい。グローブボックスやセンターコンソール、ドアトリムなど、至るところにLEDの細いラインが走り、夜の車内を照らし出す。いわゆるアンビエントライトというやつだ。
いまやコンパクトカークラスにも装着が進むこのアンビエントライト、なんでこんなに人気になったのだろう。その進化について調べてみた。
文/ベストカーWeb編集部、写真/メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ロールス・ロイス、スバル、日産、トヨタ、Adobestock
【画像ギャラリー】クールな車内にしびれる! アンビエントライトが自慢のクルマたち(14枚)画像ギャラリー電球の後付けは昭和の時代からあった
まず「アンビエントライト」という用語だが、もともとは住宅や店舗で天井や壁面を照らす間接照明を指す言葉として使われていた(アンビエントとは「環境」を指す)。この間接照明に対して、机や食卓などに使う直接照明は「タスク照明」と呼ばれる。
いっぽうでクルマの室内照明だが、室内灯の電球の色を変えてみたり、助手席や運転席の足元に小さなランプを追加する改造が、昭和の時代からクルマ好きの間で行われてきた。高級車の純正アクセサリーとしても、ドアを開けたときに足元を照らすフットランプなどは以前から存在したから、このあたりがアンビエントライトの起源といえるだろう。
ところが20世紀末、この照明に革命が起きる。LEDの登場だ。そのすごさをまとめると、以下の4つになるだろう。
(1)消費電力が電球に比べて数分の一になったこと
(2)電球でいう「玉切れ」がほぼなくなったこと
(3)素子を並べることで帯のような均一な光が実現できること
(4)三原色のLEDを組み合わせれば発光色が自由に変えられること
21世紀になってコストダウンが進むと、LEDはクルマのライトとしても普及が進む。ちなみにLEDを量産車として初めてヘッドライトに採用したのは、2007年に登場したレクサスLS600hだ。
奇しくも同じ2007年、デトロイト自動車ショーでは、そのLEDをインテリアに使ったクルマが話題を呼んだ。ジャガーC-XFコンセプトやキャデラックCTSなどだ。当時ジャガーのチーフデザイナーだったイラン・カラムは、「これからは照明が自動車デザインの大きな要素になる」とも答えている。まさに現在のアンビエントライトブームを予言したひと言だといえよう。
コメント
コメントの使い方ちなみに日本車では、2013年にマイナーチェンジしたレクサスLSが、グローブボックス付近にLEDを使った間接照明を取り入れ・・・
とあるが、7年遡る2006年登場の3代目MPVでは既にアッパーグローブボックスにブルーの間接照明が標準装備(のちにディーラーOP)されていたのだが。先進すぎて当時はまだ世間受けしなかった。
記事を書くならよく調べてからにしてほしい。