2016年12月に登場、そのわずか半年後にはSUVとして初となる月間販売台数1位を獲得するなど大ヒットをカッ飛ばしたトヨタのコンパクトSUV C-HR。
最近は販売もピリッとせず、ライバルメーカーのみならず身内であるトヨタからも続々と新型SUVがデビューするなかで「ひょっとしてこのまま…?」なんて声も聞こえていた。
しかーし! C-HRの物語には続きがあった! 2代目は来夏登場! 最激戦区たるコンパクトSUV市場に再び挑む!!! 果たしてその中身は???
※本稿は2022年9月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
■初代は2016年12月登場 コンパクトSUV市場を席巻
過激なデザインで2016年12月に初登場し、クーペSUVの新ジャンルを築いたトヨタ C-HRのフルモデルチェンジが近づいている。最新情報では来年夏に2代目が登場する。
初代C-HRは個性的なデザインだけでなく、トヨタのクルマ作りを根本から進化させたTNGAを採用し、走りでも高い評価を獲得。
登場直後から大人気を博したが、ここ数年の販売台数は落ち着き気味で、こうした個性派を求める層には行き渡ってしまったかのようにも思われた。
それもあって2代目の計画は不透明だったが、実は順調に開発は進んでいたというわけだ。
デザインはすでに判明していると思っていい。
昨年12月に開催したトヨタの電気自動車(BEV)戦略のイベントでモックアップモデルを公開しているからだ。
トヨタの社員が「ここまで見せちゃうの!?」と驚いたという逸話も残っているほどで「bZコンパクトSUV」として置かれていたのがそれ。
イベントではBEVとしての公開だったが、フロントにエンジンがあっても不思議はないデザインで、レクサスUXと同様、内燃機関とBEVのダブルパワーユニットが想定される。
BEVオンリーではC-HRの価格帯を大きく引き上げてしまうからだ。
さて、次期C-HRの内容だが、現行型と同様、基本的には「次期プリウスのクーペSUV版」と考えてよさそうだ。
次期プリウスは今年末~来年初頭のデビューが予定されており、パワーユニットは改良型の1.8Lハイブリッドと2LのPHEVとなる。
この改良型ハイブリッドは新開発のリチウムイオンバッテリーをはじめ、すべての電動モジュールを刷新するもので、トヨタ社内では「第5世代のハイブリッドシステム」と呼ばれているもの。パワーと燃費性能の向上を両立する。
C-HRもこのハイブリッドが搭載されるのは確実だが、現行型に設定されている直4、1.2Lターボは廃止になるとの情報だ。
代わりに自然吸気の2Lエンジンを新開発して搭載する可能性が高い。
現行の1.2Lターボは燃費性能に劣るため、C-HRのみならずカローラシリーズでも廃止の方向とのことだ。
つまり、次期C-HRのパワーユニットは2LガソリンNAと1.8Lハイブリッドということ。
現行型のハイブリッドはFFのみだが、次期型には後輪をモーターで駆動するE-Foreが用意される。
また、遅れてBEVを追加する可能性も高く、その場合、BEV専用のプラットフォームではなく、TNGAのGA-CプラットフォームをBEV用に改良することになる。
全高を少し高くして、室内空間を向上させるとの情報もある。
デザイン最優先で仕上げられた現行型はリアシートの居住性がやや劣っているのは事実で、そこが販売店からの改善要望の最も大きなところ。
C-HRの最大の特徴となるスタイリッシュさと居住性のバランスをどう取るかが次期型の重要なテーマとなるということだ。
また、現行型では登場から3年後に追加となったGRスポーツが、次期型では最初から設定されるという噂もある。MTの継続採用も期待したいところだ。
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