電気自動車(EV)にはやや消極的に見えたホンダのEV戦略が2019年、急加速する!
ホンダは2017年9月にフランクフルトモーターショーで電気自動車のコンセプトカー「ホンダ アーバンEVコンセプト」を発表。同年の東京モーターショーでも展示され、過去のホンダの名車である初代シビックを彷彿とさせる丸目ヘッドライトをはじめとしたネオレトロスタイルで日本でも注目を集めた。
そして、この東京モーターショーの記者会見でホンダは、アーバンEVコンセプトの市販モデルを2019年に欧州で発売することを明らかにしていたが、ついにその市販モデルのプロトタイプが公道でテストを開始。今回「ベストカー」ではそのテスト車の写真を入手するとともに、一部ではあるが市販型の内容をキャッチした。
文:ベストカー編集部
ベストカー 2019年1月10日号
欧州と日本でアーバンEVコンセプトを市販化!
ホンダのEV開発の歴史は意外に長く、1988年に研究がスタート。1997年には専用設計のEV「EVプラス」を発表し、2012年にはこれを原点に開発した「フィットEV」をリース販売。このフィットEVでは一充電航続距離で225kmの電費性能を記録している。
そして、2017年にアーバンEVコンセプトを発表後、2018年には11月に開催された広州モーターショーで中国専用EVの「理念VE-1」を初公開。コンパクトSUVのヴェゼルをベースしたEVで2018年12月に生産開始される。
この理念VE-1は中国政府が普及を後押しするNEV(EVやPHVなどの新エネルギー車)に対応するための中国市場向けで、これに続いて欧州と日本でアーバンEVコンセプトの市販化を予定しているのだ。ついにホンダは本格的なピュアEV市場に参入することになる。
市販版は5ドアハッチバックとなって発売へ!
そして、注目の次世代コンパクトEVであるアーバンEVコンセプトの市販バージョンだが、その姿は【写真】の予想CGを見てのとおり。コンセプトモデルのような初代シビックをイメージさせるスタイルを継承して登場する。
市販モデルでも丸目のヘッドライトや1970年代風ハッチバックスタイルを採用。機能面もコンセプトモデルと同様に、フロントボンネットに充電口が設置され、デジタルアウターミラーが装備される。
いっぽうで、コンセプトモデルから大きく変わるのが3ドアから5ドアのハッチバックになる点。ドアもコンセプトモデルでは前側から開くヒンジドアから、通常の後側から開くヒンジドアに変更。市販モデルでは5人乗りとなり、しっかりと実用性を進化させてくる。
テスト車の目撃者によると、室内には巨大ワイドモニターを装備しているように見えたというから、中身はAI技術などを使った先進技術の搭載が期待できそうだ。
期待のホンダEVは今年3月に初公開濃厚! 気になる日本発売時期は?
また、このコンパクトEVはEV専用に新開発されたプラットフォームを採用するのが大きなポイント。そのため、コンパクトなボディと優れた重量配分を両立し、関係者によるとコンパクトカーながらも快適な乗り心地を実現しているというから、走りの面でも期待が持てそう。
EVのシステムについてはまだ詳しい情報はないのだが、中国専用の理念VE-1では53.6kWhのバッテリーを搭載し、最大出力120kW、航続距離は欧州のNEDCモードで340㎞を実現していることから、これに近いスペックになる可能性がある一方、コンパクトなボディのため大容量バッテリーを搭載するのが難しく、航続距離は300km以下に抑えられるという情報もある。
レトロテイストのルックスに先進技術を満載した、いままでにない革新的なホンダのコンパクトEV。そのデビューは2019年3月のジュネーブショーが有力で、日本発売は1年後の2020年が予想される。
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