国産メーカー8社にとって2022年はどんな年だったのか? 自動車評論家 桃田健史氏の視点で、5つの評価項目とともに今年を総括!!!
※本稿は2022年11月のものです
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月26日号
■気になるあのメーカーの2022年の評価は?
円安要因によって各社とも売上げは増えても、原材料高などで収益を圧迫する状況だ。
半導体不足が2023年度には解消の見込みというものの、欧州やアメリカが政治的な思惑で急速なEVシフトを仕掛けるなか、メーカーは各種の規制対応に追われる毎日が続いている。
CASEやMaaSは流行期から社会実装期へ進むなか、各社とも悩みが多い。そんな混迷期からどのメーカーが先に抜け出すのかが注目される。
■トヨタ編
半導体不足による生産台数の制限、資源高騰に対するサプライチェーンへの影響、そして電動化の急激な進行など、日系自動車メーカー各社が直面している近々の課題について「幅広」かつ「早急」な対応策を見せた。
一部報道でEV戦略の見直しなども囁かれているがその報道の真偽はともかく、日系自動車メーカートップとして柔軟な対応が望まれる。
●トヨタ 2022年の通信簿
・健全経営度……「5」
・2022年誕生車の注目度……「4」
・社長のリーダーシップ性……「5」
・環境への貢献度……「5」
・安全性の追求……「4」
■日産編
長かったゴーン体制からの抜本的な企業改革を進めてきた。それを社内外に訴えたNISSAN NEXTは確実に実行されている印象がある。
そのうえで、ルノーとの関係についての見直しに着手しているところであり、このステージが終わってから、改めて日産の未来について具体的な方向性が示されるはず。ぜひ、日産には大いなる夢を語る事業方針を望む。
●日産 2022年の通信簿
・健全経営度……「4」
・2022年誕生車の注目度……「4」
・社長のリーダーシップ性……「4」
・環境への貢献度……「5」
・安全性の追求……「4」
■ホンダ編
三部社長体制となり、本格的なEVシフトへと大きく舵を取ってきた。本田技研工業(本社)と本田技術研究所(研究所)との関係についても、量産レベルでは2社がパラレルで動く体制が実働してきたように感じる。
一方で、研究所は空中領域や知能化領域などでの先進技術についての広報活動も積極的。2020年代半ばに向けたEV実用化を期待。
●ホンダ 2022年の通信簿
・健全経営度……「4」
・2022年誕生車の注目度……「3」
・社長のリーダーシップ性……「4」
・環境への貢献度……「4」
・安全性の追求……「4」
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