VTECやタイプRなどでクルマ好きたちを唸らせていたかつてのホンダ。だが、最近のホンダを見ていると「うーん……悪くはないんだけど、こういうんじゃないんだよなあ……」と、なんだかもどかしく感じることもある。
クルマ好きはなぜ最近のホンダ車にときめかないのか? 永田恵一が解説する。
文/永田恵一、写真/HONDA
■ヴェゼルとシビックタイプRだけ?
昨年のホンダの日本国内販売は、白いナンバープレートがつく登録乗用車/26万9034台(2021年比98.1%)、軽乗用車/29万8969台(同97.9%)と、堅調だ。また、納期もいろいろな事情があるにせよ、ほとんどの車種が半年以上、1年というモデルも珍しくないと好調なようにも見える。
しかし、ここ3年ほどで登場したホンダ車で目立ったのは「現行ヴェゼルとシビックタイプRくらい」と感じる人が少なくないかもしれない。
ここではなぜそんな印象を持つのかを、登場の新しいホンダ車4台を例に考えてみた。
■フィットは「インパクトに欠ける」から
2020年に登場した4代目モデルとなる現行フィットは、初代モデルから続く「センタータンクレイアウトなどを基盤とした、これ1台で充分使える広いコンパクトカー」というコンセプトで開発されたコンパクトカーである。
現行フィットもキャビン、ラゲッジスペースともに相変わらず広く、Aピラーの大きな三角窓により視界は広く運転はしやすく、価格もリーズナブルと実用を主にコンパクトカーを選ぶなら、いまだその平均点は高い。
しかし、実によくできたN-BOXをはじめとしたホンダ社内での軽乗用車の影響やクセを感じるスタイルに加え、実用面のイメージが強すぎる、華に欠けるというのも現行フィットにときめかない理由なのではないだろうか。
それをはじめに思ったのが同時期に登場した現行ヤリスである。広いフィットと前席中心のフィットはコンパクトカーでも若干ジャンルが違うのもあるにせよ、現行ヤリスは狭いけど全体的にスポーティで若々しいイメージを持つ。
また、現行ヤリスは実用燃費30km/Lも夢ではない1.5Lハイブリッドの搭載(現行フィットe:HEVとの燃費の差はスペースで納得できる範囲ではある)、賢く使いやすい自動駐車、登場時は現行フィットより優勢だった安全&運転視点システムなど、興味を引く装備、機能が多数ある。
このあたりが、現行フィットのほうが売れそうなコンパクトカーでありながら、登場時から現行フィットの販売が伸び悩んでいる原因のひとつに感じる。
コメント
コメントの使い方フィットに兄貴分のシビックと同じ1.5Lターボエンジン プラス 4WDで馬力が270PSの
フィット タイプR エボリューションを出したら売れるで。
ホンダは、出来るのに、何故かやりたがらない。