■ヤリス、ノートに比べて伸び悩むフィット
次に2020年11月登場の現行ノートは、ハイブリッドのe-POWER専用車となるフィットに近いコンパクトカーだ。
現行ノートはLEDヘッドライトなど欲しい装備をオプション装着すると現行フィットより高く、燃費も現行フィットハイブリッドに対しやや劣勢だ。しかし、先代モデル同様にe-POWERのレスポンスに優れ、電動感溢れる現行ノートの加速感のインパクトは強い。
また、現行ノートは標準車、高級なオーラ、スポーティなオーラNISMOと意義あるバリエーションを揃える点も強みだ。
という状況の打開のため、現行フィットはスポーティなRSの追加、ガソリン車の1.3Lから1.5Lへの変更を中心としたマイナーチェンジを2022年秋に行った。
マイナーチェンジされた現行フィットは、RSはほどよくスポーティで、RS含め価格も依然リーズナブルだ。
しかし、RSを見るとハイブリッド同士だとノートオーラNISMOは291万円とフィットRSに対し60万円近く高いが、趣味性の強いスポーツモデルだとパワフルで電動感の強いノートオーラNISMOの競争力も高い。
また、1.5LガソリンのRSもMTが欲しかったのに加え、スペースを考えなければ依然スイフトスポーツの魅力は鉄板なのに加え、MTのヤリス1.5Lガソリンも150万円台のXグレードをカスタマイズのベースにするというマニアックな面白さがある。
といったことを考えると現行フィットRSもちょっとインパクトに欠け、今後の現行フィットの大幅な巻き返しは難しいように感じる。
■ライバルと比較してインパクト不足が否めないステップワゴン
昨年登場した現行ステップワゴンも現行フィットに似たところを強く感じる。現行ステップワゴンも3列目シートを床下収納としたことで3列目シートも快適で、運転すればしなやかないいクルマである。
しかし、20年以上前の2代目ステップワゴンを思い出させるスタイルは今さら感を含め「ウーン」という人も少なくないだろう。
また、同時期に登場した現行ノアと比べると、乗り味はビシッとした現行ノアとしなやかな現行ステップワゴンという印象で、この点は好みの範囲といえる。
だが、現行ノアは跳ね上げ式の3列目シートを生かした2列目キャプテンシートの超ロングスライドや、使い勝手に配慮した2列目の2人掛けベンチシートを設定。
ほかにも、スイッチを側面に付けた電動バックドア、スマホを使うと車外からも操作できる自動駐車、渋滞中なら手放しもOKな運転視点システムなどなど、考えずに欲しいオプションは付けていくと高価にせよ、目を引く、華のある機能や装備が満載だ。
といったあたりに現行ステップワゴンも現行フィット同様の、ライバルと比べた際のインパクトの弱さを感じてしまう。
■タイプR以外のシビックは「価格が高い」
2021年に登場した現行シビックはタイプR以外も乗ると非常にガッチリ感があり、1.5LガソリンターボのMTのフィーリングは良好、ハイブリッドのe:HEVも強いエンジンの存在感を感じさせてくれるいいクルマである。
しかし、フル装備とはいえ1.5Lガソリンターボが319万円から、e:HEVが394万200円という価格は、車格に対して躊躇してしまう人が多いのではないだろうか。
比べてみると、ボディタイプの違いなどもあるが2Lガソリンのカローラスポーツの最上級グレードとなるG”Z”は264万円とだいぶ安い。
ハイブリッド同士でも、万人向けではないにせよスタイルなどに強いインパクトを持つ2Lの現行プリウスZは370万円、バランス型の1.8LハイブリッドもKINTOのみの扱いながらアップデートなどの特典があるUが299万円だ。
カローラスポーツや現行プリウスとの価格差を見ると、今後ファン以外はシビックを買いにくいのではないだろうか。
コメント
コメントの使い方フィットに兄貴分のシビックと同じ1.5Lターボエンジン プラス 4WDで馬力が270PSの
フィット タイプR エボリューションを出したら売れるで。
ホンダは、出来るのに、何故かやりたがらない。