路線バスに使われているクルマは全部同じ!! わけではなく、ちゃんと種類がいくつもある。今時の大型路線バス車両にはどんな車種があり、どこを見れば区別がつくのだろうか。
文・写真:中山修一
■世代交代役から始まり20年以上!! いすゞエルガ
全国各地の路線バスで大体使われていて、出会う機会もかなり多い大型路線車の代表格が、いすゞエルガだ。
エルガは、それまでに製造されていたバス車両の世代交代役を担う新型車として2000年に登場、既に20年以上いすゞ製バスの主力の座に就いている。
ちょうど2000年頃から環境保護やバリアフリーの観点が路線バスにも導入されるようになり、エルガは現代の路線車のフォーマットを形作った象徴的な車種の一つとも言えそうだ。
排ガス規制適合などのマイナーチェンジを繰り返しているため、年式や細かな型式まで秒速で判別しようとなると中々難しい。
しかし、とりあえずそのバス車両がエルガかどうか確認できればOKな程度なら、ヘッドライトの形状を見るのが最も楽な方法だ。
横長四角のライトを左右縦に2個ずつ並べた4灯ライトになっているものが2000〜2015年までに作られた初代エルガ、吊り目が左右1個ずつの2灯ライトが2015年夏から製造されている2代目エルガにあたる。
■エルガと瓜二つ!? 日野ブルーリボン
エルガと共に各地で活躍中の大型路線車が日野ブルーリボンだ。ペットネームの「ブルーリボン」は1950年代から使われており、70年以上の歴史を持つ。
元々ブルーリボンは日野自動車が独自に展開していたバス車両シリーズだったが、ここでは2004年頃から製造が始まり今日まで至る、いすゞエルガと共通設計になったモデルに絞って紹介したい。
共通設計のため、いすゞエルガと外観が殆ど同じであるのが言うなれば特徴だ。縦目4灯ライトと吊り目2灯ライトのモデルが作られているのもエルガと共通で、本当に瓜二つだ。
それもあってブルーリボンとエルガを外観から区別するのは不可能に近いのだが、バス事業者によっては前面に日野のエンブレムまたはHINOのロゴを入れている場合がある。
それらロゴ関係が見て取れれば、あれはブルーリボンだなと思ってしまって良い。そうでない場合……車内前ドアの近くに取り付けられた製造銘板を見るか、車両のナンバープレートや車体番号から後出しで調べるかだ。
また、共通設計を用いた「ブルーリボンII」と呼ばれるバリエーションが発売された時期があり、こちらの一部は吊り目ではない角形が左右1個ずつの2灯ライトが取り付けられている。
ちなみにエルガ/ブルーリボン共に、バス製造メーカーのジェイ・バスが生産を担当している。