カワサキは2017年からディーラー制度をスタートさせており、以来店舗デザインが四輪外国車ディーラーのように洗練された。現在まで順調に店舗数を増やしており、4月には第2世代に進化するまでに定着している。
当初、カワサキプラザは従来のバイク販売店とかけ離れたコンセプトに疑問視する声があったのも事実。それがどうして成功したのだろうか?
文/市本行平、写真/市本行平、カワサキモータースジャパン
【画像ギャラリー】カワサキプラザのショールームには細部まで仕掛けが満載(6枚)画像ギャラリーカワサキが独自にブレンドしたコーヒーでおもてなし
カワサキモータースジャパン(KMJ)が「カワサキプラザ」というディーラー網を整備し始めたのは2017年4月から。その後、2020年1月から主力の大型バイクをカワサキプラザネットワークのみでの販売とし、統一された店舗運営によるサービスの充実を図っている。
KMJが目指したのは、車両を販売するだけでなく店舗やサービスを全国で標準化すること。スクーターなどのコミューターがラインナップにない日本唯一のメーカーとして、趣味を楽しむライダーだけの空間を提供することでカワサキの世界観を強く訴求できるのだ。
そのためにKMJがカワサキプラザネットワークで推進したのが「五感で楽しめる空間」作り。例えば味覚では、NinjaブレンドとZブレンドのコーヒーが楽しめるようにし、嗅覚ではカワサキ独自の調香とした「グリーンエスケープ」の香りで店内がつつまれている。
さらに、カワサキが選曲した音楽が流れる空間で車両を見て触れてカワサキを全身で感じられるようにしている。カワサキプラザにはかつての“街のバイク屋”のイメージはなく、四輪外国車ディーラーのような洗練されたショールームに一変しているのだ。
新世代のショールームデザインは内装を改良
そして、4月6日にリニューアルオープンした新店舗は“2.0世代”とし、ショールームデザインを新しくしている。変更点は5つあり、最も印象を変えたのが天井を従来の黒から白にしたところ。「クリーン」をコンセプトに店の奥まで明るく見通せる空間としている。
また、2.0世代では立方体状のケージに車両を展示する。従来は四角形の光枠に合わせて絵画のように見せていたが、光ケージが全方位から照明を当てることでより車両が映えるようにしている。また、バイクを檻に入れられた猛獣と見立てているのも面白い。
窓際に置かれたテーブルと椅子は、店外からライダーが集う様子が見られるようにすることで元々のカワサキプラザのコンセプトである「ことづくり」を推進。壁面にはカワサキの歴史を表す写真が展示され、ブランドの世界観が感じられるようにしている。
さらに、メカニックと接客スタッフのユニフォームも従来の黒からグレーに色調を明るくしている。カワサキといえばグリーンの差し色が入るイメージだったものを、カワサキプラザでは2017年から高級感のある黒に統一していたが、今回はショールームに合わせた色合いにしている。
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