日本で1番売れているクルマがホンダのN-BOX。昨年は20万2197台を販売し、軽自動車8年連続トップの販売台数となった。なお、昨年は普通車も含め唯一の20万台超えとなっている。「日本で1番売れているクルマ」N-BOXが売れている理由はどこにあるのか? 実際にあらゆるシチュエーションでチェックしてみた。
文/西川昇吾、写真/西川昇吾
■軽自動車とは思えない広々空間
まず乗り込んでビックリするのが室内の開放感だ。身長177cmの筆者が乗り込んでも、軽自動車とは思えないほど広々とした印象を受ける。これはウィンドウが大きく取られているためであろう。ウィンドウが大きいと室内が明るく開放感を演出することができると同時に、視界を良くすることができる。
視界、という面では左側のAピラーに技ありなアイテムを発見。これはサイドビューサポートミラーというもの。ドアミラー部に装着したミラーの反射を利用して、左前方下部の死角を少なくしようというものだ、狭い道や駐車場で役立つアイテムとなっている。
また、今回試乗したのはベンチシート仕様であったため、腰回りや腕周りの圧迫感が少ないのも広々とした印象に繋がっているのだろう。単に座っているだけであれば軽自動車であることを忘れてしまうほどだ。
後部座席も広々としていて、大の大人が4人乗っても圧迫感を感じないであろうことは想像がつく。後部座席に座って足元が広く感じても日常生活であれば実用的なトランクスペースが用意されているのはあっぱれだ。
■運転して驚く静粛性の高さ
実際に街乗りで運転してみると、運転がとても楽で室内環境も快適だ。試乗中、東京の狭い路地を走ることもあったが、サイドビューサポートミラーのおかげで狭い路地を楽々走り抜けることができた。ボックス形状でウィンドウが広く、ボディサイズを感覚で掴みやすいのも大きく影響していることだろう。
しかし、今回の試乗で最も驚いたのは高速道路での走行だ。合流の加速でアクセルに素直に反応し不満がないのも少し驚いたが、流れに沿った巡航速度での走行時の静粛性の高さに驚かされた。
スクエアなボディ形状の軽自動車であるため、風切り音やエンジン音、ロードノイズなどがもっと車内に聞こえてくると予想していたが、この予想はいい意味で裏切られた。100km/hで巡航しているとタコメーターは3000rpm付近を指していて、エンジンが唸っているような様子は感じられない。
運転支援システムのセンタートレースに少し角があるような粗さを感じるものの、高速道路巡航はビックリするほど快適であった。
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