EV時代の本格突入を見据え企画されたフォーミュラEは2014年9月から開催されているが、2018-2019年シーズンから、世界で最も市販EVを販売している日産が参戦を開始。
2018-2019年シーズンのフォーミュラEは、アウディ、ジャガー、DS、マヒンドラ、ベンンチュリーに加え、日産、BMWが参戦を開始することで合計7メーカーが顔を合わせることになる。
この自動車メーカーに有力レーシングチーム、レーシングコンストラクターが絡み合い、熾烈なレースが展開されている。
フォーミュラEとはどんなレースなのか? 見た目はF1マシンに似ているが、どのくらいスピードが出るのか? 日産はなぜ参戦を開始したのか? などなど、注目度が高まりつつあるフォーミュラEについて飯田裕子氏が解説。
文:飯田裕子/写真:NISSAN
市販車EVリーダーの日産がようやくフォーミュラEに参戦!
5シーズン目を迎えた電気自動車(EV)のレース、FIAフォーミュラE。
そこに今年から日本メーカーとして初参戦をスタートさせた日産のオリバー・ローランドが、全13戦で行われるレースのちょうど折り返しとなる第6戦@中国で初の表彰台=2位に立った。
オリバー・ローランドは今シーズンがフォーミュラE初参戦。期待のルーキーだ。そしてもうひとりのドライバーはF1パイロットの経験もあるセバスチャン・ブエミを起用。
ブエミはフォーミュラEには初開催年からルノーe.damsチームで参戦し、2シーズン目にはシリーズチャンピオンを獲得。現在、最多勝、最多ポールポジション、最多ファステストラップの記録保持者でもある。
日産は今年からこの2名のドライバーとともに『日産e.dams』チームとして参戦をスタートさせたのだ。
EV時代本格突入を前に自動車メーカーが続々とフォーミュラEに参戦を開始
FIAフォーミュラE選手権は2014年にスタート。
パリやロンドン、ミラノや香港、NYなどの都市部やモナコや三亜(中国)といったリゾート地などの公道でレースを開催し、環境性能に優れた電気自動車の普及と促進を交通アクセスのいい場所で開催することでレースをもっと身近に感じファンを増やしたいという狙いがある。
いっぽう、参戦するチームとしては“レースは走る実験室”と言われるように技術開発の目的もある。
第5戦が行われた香港で取材をした際、日産のグローバル・モータースポーツ・ディレクター マイケル・カルカモ氏は、「EVレースはさまざまなベストソリューションを見いだせる可能性の大きなレースです。それは市販車のリーフを世界で販売する日産のテクニカル面を支えるだけでなく、エンジニアの新たな発想を育む場である」と期待している。
ヒューマンリソースの向上にも役立つというのだ。
また先日、リーフがEV史上初となる販売台数40万台を達成したように、市販車のEVのリーダーという自負もあるだろう。「さらなるブランディングやマーケティング活動の強化としても、このレース参戦には大いに意味が」とカルカモ氏。
クルマの電動化に向けた各国/各自動車メーカーの動きも急速に進む今、このような発想を持つ自動車メーカーが増えているのは察しがつくだろう。日産のような狙いを抱き、自動車メーカーの参戦も活発だ。
すでにアウディ、ジャガー、DS、マヒンドラ、ベンンチュリーが、そして今年から日産とBMWが参戦をスタートし、来年からはメルセデスとポルシェもこれに加わる予定だ。
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