「サポートカー限定免許」という制度をご存じだろうか? 2022年5月13日に開始されたこの制度は、運転できるクルマを、自動ブレーキなどを備えたサポカーに限定するというもの。
ブレーキやアクセルの操作ミスによる事故が増加するなか、「これは技あり!!」と思った人も多いだろう。
がしかし!! 2023年2月に警視庁が公表したところによると、全国での申請者数はわずか14名!
そんな残念な事態を踏まえ、果たしてこれはどんな制度で、どんなメリットがあるのかを、改めて検証したい。
文/鈴木喜生、写真/スズキ、スバル、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車、写真AC、アイキャッチ画像/naka-stock.adobe.com
任意で切り替えができる「サポカー限定免許」とは?
2022年5月13日、「運転技能検査」という制度が開始された。この制度の対象は75歳以上の高齢者において、過去3年以内に信号無視など一定の違反歴(11類型)があるドライバーに対して、免許更新の際に「実車試験」を義務づけるというもの。
免許有効期限の半年前から何度でも受検できるが、期限内に合格しなければ免許は失効してしまう。
2023年2月の警視庁の発表によると、2022年中の受検者数はのべ7万7083人で、うち6万9041人(89.6%)が合格。つまり約10人に1人は運転免許証の所持を継続することができなかったことになる。
そして、この運転技能検査と同時に導入されたのが「サポートカー限定免許」、通称「サポカー限定免許」だ。
これは運転できる車種を、自動ブレーキなどを備えた「安全運転サポート車」に限定するための制度で、強制されるものではなくドライバー自身が任意で申請するもの。
免許を返納することは、まだしたくない。でも、自身の運転技能を過信せずに安全運転を心がけたい、そんな高齢ドライバーに活用してもらうべく導入された制度といえる。
サポカー限定免許に切り替えることで、ドライバー自身の安全意識を高めるだけでなく、家族も安心感を得られるだろう。
このサポートカー限定条件を付与できる免許は、普通免許のみ。中型免許や第二種免許など、普通免許より上位の免許を持つ人の場合には、申請によって上位免許が取り消され、普通免許へと変更され、そこにサポカー限定条件が付く。免許更新の際に申請すれば、その日のうちに交付される。
ただ、警視庁が2023年2月に発表したところによると、同制度が導入された2022年5月からの7カ月間(2022年中)に、このサポカー限定免許の申請者数は全国でわずか14名。十分に活用されていないのが現状だ。
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