ゴルフやカローラスポーツなどライバルひしめく欧州Cセグメントの雄、BMW1シリーズ。約8年ぶりにフルモデルチェンジする3代目は、2019年9月に開催されるフランクフルトショーで公開される予定。
その正式発表を前にドイツ在住ジャーナリストの木村好宏氏が、発表前のカモフラージュされたプロトタイプに先行試乗!
新型1シリーズは、これまでBMWがこだわり続けてきたFRから、ミニや2シリーズアクティブツアラーなどと同じFFに大転換。クルマ好き、BMWが好きな人にとっては一大事件として注目を集めてきた。
さて、新型1シリーズはFFになっても、不安を払拭するFUNな走りを魅せてくれるのか?
今回、カモフラージュされた新型1シリーズを元にベストカー本誌が製作したCGが掲載されたベストカー2019年5月10日号より転載しました。
文/木村好宏
写真/木村好宏 ベストカー編集部(CG写真)
初出/ベストカー2019年5月10日号「BMW1シリーズ海外先行試乗記」より
■なぜFRからFFに転換したのか?
BMWが2004年に欧州Cセグメントのプレミアムコンパクトクラスに送り込んだ1シリーズはこのクラスとしては珍しいフロントエンジン、リアドライブというレイアウトを持っていた。
FFのライバルたちと比べると、キャビン空間の確保や重量、コスト面から見れば不利だったが、3シリーズのプラットフォームを流用してBMW独特のダイナミック性能重視の決定であった。
その結果、確かに走りの面ではFFのライバルたちを凌駕したが、特にリアの居住性やトランクスペースなど実用性の面での不利は克服できなかった。
そこで開発コードF40と呼ばれる次期型1シリーズには、これまでミニやアクティブツアラーなどに使用されている前輪駆動専用のアーキテクチャー(UKL)をアップデートして採用することになった。
そして今回、2019年9月の正式発表を前にBMW AGは少数のジャーナリストに、そのプロトタイプを南フランスにあるテストコースで試乗するチャンスを与えてくれた。
今回の主な目的はダイナミック性能の紹介と確認で、それゆえにBMWからの参加者のほとんどはドライビングダイナミクス関係のエンジニアだった。
彼らに与えられた開発主眼は「後輪駆動の現行1シリーズを超える、このセグメントのベンチマークとなるダイナミック性能を持つ前輪駆動を作り上げる」というものだった。
そのためにミニや2シリーズアクティブツアラーなどで得た前輪駆動技術ノウハウを新型1シリーズへ活用するのはもちろん、同時にコンパクトピュアエレクトリックカー「i3」に投入された革新的な制御システムを新型1シリーズにも採用することになった。
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