ドラレコはSTARVIS 2の時代？　そもそもSTARVISって何？　搭載モデルが続々デビュー！

　ドラレコ選びをしていると「STARVIS」という文字をよく目にする。なにやらドラレコ性能の目安になっているようだが果たしてなんなのだろう。そんなSTARVISの最新バージョン「STARVIS 2」の話題と合わせて、最新モデルを検証してみた！

文／ベストカーWeb編集部、写真／コムテック、ソニー、VIOFO

■高性能ドラレコの目印ともいえる「STARVIS」

　ドライブレコーダーに求められる性能の3要素は「HDR（ハイ・ダイナミック・レンジ）。「高感度」「高解像度」だといわれる。

　HDRはトンネル出口などの逆光でいわゆる「白飛び」を起こさないために、高感度は暗い場所でも周囲をはっきり映すために、そして高解像度は高精細な画像（特にクルマのナンバープレート）を得るために必要なのだ。

　この3要素を非常に高次元でバランスさせる低照度向けイメージセンサーとして世界的な定評を得ているのが、ソニーが開発した「STARVIS」という製品。イメージセンサーとはレンズから取り込んだ光を電気信号に換え、その信号から映像を作り出す半導体で、人間の目で言えば網膜に当たる。

　STARVISの性能だが、裏面照射型という構造を採用することで、大量の光を内部に取り込めるようになっている点がポイント。感度ではすでに人間の目を超えており、見た目では真っ暗の暗がりも、ザラザラしたノイズを抑えた状態で捕えることができる。

　HDRという点でも優れている。明るい部分に適した露光時間の短い画像と暗い部分に適した露光時間の長い画像を重ね合わせるため、トンネル出口などではトンネル内の暗部と出口先の明部がどちらも色潰れせずに表現できるのだ。

　そんなSTARVISは2010年代後半からドラレコに採用され始めたのだが、2021年6月に第2世代となるSTARVIS 2が発表された。STARVIS 2では、光を取り込む量をより増やすことで暗所性能が高まり、HDRのダイナミックレンジ（暗部から明部まで表現できる範囲）もいっそう拡大された。

■今後はSTARVIS 2搭載モデルが充実しそう

　STARVIS 2のドラレコへの採用だが、2022年10月にコムテックが発表した「ZDR045」が初だといわれる。STARVIS 2の中でも高感度＆コンパクトを売りにしたIMX662というチップを採用しており、従来製品に対して大幅に向上したダイナミックレンジと高感度を特長とした。

　前後2カメラ対応やGPS搭載、大きな3インチLCDで映像確認もできるとあって、現在でも人気が高く、Amazonでは3万円弱で市販されている（8月末現在。以下同）。

　近年発売されたSTARVIS 2搭載ドラレコでは、中国深圳発のブランド「VIOFO」の製品が話題を呼んでいる。

　まずは高級機のA139 Pro。STARVIS 2でも4K録画が可能な「IMX678」というチップを搭載しており、本格的な4K HDR撮影を実現している。F1.6大口径レンズも組み合わされ、数千円台のドラレコとは一線を画す圧倒的な画質が楽しめる。

　カメラは前後2つに車内用を加えた3カメラ構成となっており、より万全なセキュリティに対応する。高速Wi-Fiによるデータ転送が可能なほか、音声コマンドも搭載、別売りのケーブルを使えば長時間の駐車監視にも対応する。価格だがAmazonでは5万円程度で市販されている。

　VIOFOの普及モデルともいえるのが、「A119Mini2」という製品。こちらはSTARVIS 2のIMX675というチップを搭載しており、2.7K（2560×1440ピクセル）／60fpsまたはクワッドHD（2592×1944ピクセル）／30fpsの録画が可能となっている。

　リアカメラを持たないフロントシングルタイプだが、高速Wi-Fiや音声コマンド、駐車場監視といったA139Pro譲りの機能を搭載している点はうれしい。前方だけをしっかり監視してほしいというユーザーに適した1台といえよう。Amazonでは1万7000円前後で購入できる。

　というわけで今後の高性能ドラレコの指標ともなりそうなSTARVIS 2搭載モデル。今後は新製品も続々と登場するだろうから、楽しむ迷って賢く購入したい！