トヨタとWaymoが自動運転分野で協業を拡大し、日本でも新たな実証へ動き出す。すでに海外では無人タクシーが走るなか、なぜ日本では同じように進まないのか? 実は技術が進化するだけでは越えられない、日本ならではの大きな壁がある。自動運転を本格普及させるために、いま何を変える必要があるのか? 自動車評論家の国沢光宏親方から本質を突く原稿が届いた!
文:国沢光宏/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】Waymo搭載bZ4Xがコレ!! 四方八方からがっつりチェック!!(7枚)画像ギャラリートヨタ×ウェイモが日本で始動! 自動運転タクシー実証へ
トヨタがウェイモ(Waymo)と自動運転分野の協業を拡大する。来年(2027年)からbZ4Xベースの自動運転タクシーの試験運行を開始し、その知見を使いイギリスなど左側通行国に展開していくという。ウェイモはすでにアメリカで無人運行タクシーの運用を開始しており、我が国はといえば世界の流れから完全に遅れてしまっている。世界一の自動車メーカーであるトヨタとしても、この流れに乗りたいところ。
日本政府にしたってメンツがある。何とか世界に追いついていきたいという気持ちもあるのだろう。加えてウェイモに限らず海外の企業から「どうしてウチのシステムを売れないのか?」という外圧が掛かっているらしい。考えてみたら自動ブレーキも国交省は頑なに否定していた。ボルボが国交省に乗り込んで直談判し、渋々OK出したという経緯もある。政府としても、モハヤコレマデ。
ただ日本で自動運転を導入するには、道交法という高い高い壁がある。首都高を走ってみたら解るとおり、制限速度守っているクルマなど皆無と言って良い。最高裁の裁判官を乗せた公用車すら霞ヶ関から首都高に入った直後からスピード違反してる。日本の法の番人がドライバーの違反を黙認しているという酷い状況だ。警察官だってオフの時は速度違反せざるを得ない。
日本の制限速度は実情と合っていない。制限速度を守ったらあおられたり、交通の円滑な流れに支障を来す。それでも現状は是正する動きなし。そればかりか、直近になって30km/h制限区間(生活道路)の判断基準が解らなくなったり、道交法を守ったら自転車を追い越せなくなったりするなど、デタラメぶりが拡大している。歩行者の多い横断歩道は永遠に進めないです。
完全遵法では走れない!? 実証試験で問われる道路環境の整備
完全遵法の自動運転車など入れたら大変だ! これまで何度も自動運転の実証試験車に同乗しているけれど、遵法運転ができるのは人口7千人の八丈島のような島か、交通量が非常に少ない過疎地域に限られる。トヨタとウェイモの記者会見のQ&Aコーナーで「どこに導入するのか?」という質問が出たけれど、その点については「検討中です」という答えだった。
来年から導入する地域は「道交法を守れるように環境を整備した上で」ということになるのだろうけれど、どうなるのか大いに楽しみ。警察が制限速度や車両通行区分、横断歩道など自動運転が出来る環境をどうやって作って行くのか注視したい。またウェイモのシステムは大雨や雪に対応できていないようなので、そういった地域や季節も忌避することだろう。
もう一つの大きな課題はもらい事故の対応である。先日実際に起きた事故を紹介しておく。首都高の9号線は左コーナーの直後に、追い越し車線側の退出レーンがある。退出するべく制限速度+10km/hくらいで走っていた車両に、左のブラインドコーナーを高速で抜けてきたルーレット族の車両が追突。被害車両は横転している。この事故、警察は追突された側にも注意義務があると言い切った!
自動運転車両は自車を起因とする事故はほとんど回避出来る能力を持つ。ウェイモの実績を見ても当初こそ自車起因と思われる事故はゼロじゃなかったけれど、今や「ない」といっていい状態。ただもらい事故やイタズラによる事故は避けられない。ブラインドコーナーから突如出てくる後続車を避けるのはどうしたらいいか? 私は対策あるように思えない。なのに責任はゼロにならない。









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