ランドクルーザー250と基本プラットフォームをともにするレクサスのミッドサイズSUVがGXだ。タフな本格派SUVにレクサスのラグジュアリーを加えたGXの悪路性能をひと足早く試した!
※本稿は2023年9月のものです
文/国沢光宏、写真/LEXUS、ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2023年10月26日号
■レクサス版「プラド」からレクサス版「ランクル250」へ
●レクサスGXのここがPOINT
・ランクル300、250などと共通のラダーフレーム「GA-F」プラットフォームを採用する
・パワーユニットは直4、2.4LターボハイブリッドとV6、3.5Lツインターボの2種
・徹底して鍛え上げられた悪路走破性と、オンロードでの上質な操縦性
これまでのGXは『ランクルプラド』のレクサスバージョンだった。フロントグリルと内装の加飾でレクサス風に仕立て、4.8LのV8エンジンを搭載。ランクル300の兄弟車となるLXよりひと回りコンパクトなモデルという位置づけである。
新型はどんなクルマになるのかと注目されていたのだけれど、発表されてびっくり! 何とLXと同じプラットフォームを使い、LXとほぼ同じボディサイズ。大きくなりましたね。
当然ながらキャラかぶりする。そのあたり、レクサスも考えたのだろう。GXはオフロードに軸足を置いてきた。
「砂漠のロールスロイス」と言われるレンジローバーを生み出したランドローバー社は、かつて『ディスカバリー』というランドローバーのオフロードモデルをラインナップしていた。今はディスカバリーをレンジローバーそっくりのデザインとし、廉価版にしたため存在感薄くなったが魅力的でした。
新型GXはLXの持つストロングポイントをより伸ばし、それでいてレクサスというブランドにふさわしい静粛性や快適性も大切にしたという理解でよさそう。
ということで試乗コースは富士スピードウェイの中にある極悪路です。テスト用の施設ということでお好みの難易度を作り出せる。普段は愛知県の「さなげアドベンチャーフィールド」でインストラクターをやってる人に聞いたら「LXの試乗会の時より難易度高いですね」
■超悪路も難なく走る圧倒的安心感
具体的に言えば、モーグルの“こぶ”の高低差など大きいという。目の前にあるデッコボコの路面を見ると、まぁ凄い! 山の中で“自然の状態にある悪路”であれば、絶対試す気にならないレベル。
4L(4輪駆動+ローレンジ)を選び、そのほかは「オート」にして突入すると、インストラクターによれば「ベースになっているサスペンションストロークが長いです」。よって電子制御の介入も最小限ですんでいるという。
驚いたことにこの手の電子制御、普通は「ガガガ」とか「ゴリゴリ」などいろんな音を出す。GXは制御音を極力抑えたということで、難なく走ってしまう。
加えて油圧パワステから電動パワステに変えたため、ステアリングフィールをキチンと残しながら、不快なキックバックがほとんどなくなっている。今や砂漠のロールスロイスの称号はGXがいただいていいかな、と思えるレベル。これなら極悪路だって快適だ。
ロックセクションは「クロールモード」を使ってみた。アクセルもブレーキも踏まず一定の速度でノシノシと進む(速度は5段階)。
なんたって4つのタイヤに別個の駆動力&ブレーキを掛ける。アクセルとブレーキのペダルが4つずつあるようなモノ。人間じゃコントロールできない領域の制御をしているため一段と滑らか。お金持ちはこのコースを試走したら、降りた場所にあるテーブルで注文書にハンコ捺します、きっと。
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