日産はインフィニティブランドのEVコンセプトカーを4台公開(チラ見せ含む)したが、そのなかでVision Qe(ビジョンQe)に大注目! こ、これは次期V38スカイラインのセダン、いやクーペじゃないだろうか! 発表されたQeモデルはどんなモデルなのか、解説していこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/日産自動車
■V37スカイライン=インフィニティQ50 ということはこれがスカイラインのBEV?
日産は、北米において同社の高級ブランド、インフィニティの商品ラインナップを電動化していく一環として、EVコンセプトカー4台を公開した。
発表されたのはファストバックセダンの「ビジョンQe」、クロスオーバーSUVの「ビジョンQxe」、そして2024年発売予定のフラッグシップSUVの「QX80」、今後導入予定の新型クロスオーバークーペの「QX65」。
「ビジョンQxe」と「QX65」の写真は集合写真の後ろにかろうじて写っている程度だがよく見ると、なかなかカッコよさそうだ。
なかでも最大の注目はビジョンQeだろう。このビジョンQeは米国のキャントン工場で生産される予定のインフィニティ初となるEVのデザインの方向性を示したモデル。
インフィニティは日本では売らないのになぜ注目するのかと思う人もいるだろう。現行のV37スカイラインは、日本では日産ブランドだが、世界ではインフィニティQ50として販売されているので、このビジョンQeが発展して市販されれば、それはイコール、V38スカイラインとして発売される可能性が高いからだ。
しかも今回、日本で展開されていないインフィニティブランドのコンセプトカーを東京・天王洲アイルの寺田倉庫で発表したことも大きな意味を持っているに違いない。
蛇足になるがV37スカイラインは日本発売時の2014年2月から2017年2月まで、車体に装着されるエンブレムが、日産ではなくインフィニティだったこともあった。
インフィニティブランドについて補足すると、インフィニティは日産の高級車ブランドで、北米をはじめ中南米、欧州、アジア、オセアニア、中東、アフリカなどの地域で販売されているが、日本での展開はない。
2021年6月には「スカイラインの開発中止」という新聞報道があったが、その際には「日産自動車はけっしてスカイラインはあきらめません」と星野朝子執行役副社長が発売したことが思い出される。
■飛ぶ鳥をイメージしたプロポーションと巨大化したダブルアーチグリル
ビジョンQeの流麗なファストバックセダンの肢体にも見とれてしまうが、なんといってもダブルアーチグリルは凄い!
アウディのシングルフレームグリル、レクサスのスピンドルグリルを超えて、最新のBMWのキドニーグリルにも勝るとも劣らない存在感だ。
インフィニティのグローバルデザインチームは、日本に存在する文化や芸術かに存在する3つの哲学からインスピレーションを得たという。
まず非日常性、つまり「かぶく(傾く)」デザインを念頭においてプロジェクトがスタートした。このかぶくは、アリアやサクラにも取り入れられた考え方で、奇抜で受け入れられない普通さではなく、なんだか使ってみるとすごく良いという意味。
このビジョンを実現するために、チームはスピード、ダイナミズム、動きの感覚をもたらすボディに「Sho(翔)」を表現し、「Sui(粋)」という洗練さと純粋さを醸し出す絶妙な“ディテール”を埋め込んだという。
インフィニティのビジュアルアイデンティティであるブルー(特別塗装色シャドーブルー)とゴールドの組み合わせや、まるで鳥が羽を広げているかのような緩やかなプレスラインは、エレガントでありながら力強い存在感を感じさせる。
グローバルデザイン担当シニアバイスプレジデントのアルフォンソアルバイサ氏は、「動きのあるスタイルにするにはどうしたらいいか追い求めていく過程で、優雅さと力強さ、そして舞い上がる”翔”という日本の表現を再発見しました。そこで、私たちデザイナーは飛んでいる鳥に見えるようなデザインを考えていきました。こうしてパワフルかつ、動かない状態でもスピード感を生み出すことができました」。
インフィニティの特徴であるダブルアーチ型グリルはEV時代に向けて再考されれ、照明でデジタル芸術性を表現するという、ゴールドに輝いたシグネチャーライトの「デジタルピアノキー」をフロントおよびリアに採用している。
ホイールは電気モーターのコイルからインスピレーションを得たもので、幾何学的な模様が特徴。
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