日野自動車の超低床小型EVトラック「日野デュトロZ EV」にはウォークスルーバンとドライバンという2種類の完成車バリエーションがある。一体この2種類はなにがどう違うのだろうか?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
宅配向けのウォークスルーバン
日野デュトロZ EVには、「ウォークスルーバン」と「ドライバン」という2つの完成車バリエーションが存在する。完成車とは、トラックメーカーが荷台も含めてコンプリートで販売する車両のことだ。
ウォークスルーバンはリアパネルレスのキャブと、アルミサンドイッチパネルで構成された前壁レスのバンボディを組み合わせた構造で、キャブとリアボディの間には鉄道客車の貫通路のように幌が付けられている。ズバリ、ヤマト運輸のクイックデリバリーと同様の形態だ。
荷室扉はリア観音ドアと左側面のスライドドアの2方開で、オプションで右側面にも追加可能。荷室サイズは内法長2975mm×内法幅1590mm×内法高1795mmで積載量1.0トン。
床面地上高は450mm〜400mm(空車時〜定積時)で、これは900mm前後の床面地上高を有する一般的なドライバン車の約半分の低さ。ちなみに400mmは従来車のリアステップと同じぐらいの高さだ。なお、架装は日野グループの車体メーカー、トランテックスが担当する。
汎用性の高いドライバン
一方、ドライバンはキャブ付きシャシーにリアボディをマウントするオーソドックスな架装形態。一言でいうと、普通のトラックと同じ構造になっている。
荷台はアルミサンドイッチパネルで構成されたリア1方開(観音扉)のバンボディで、左側面にスライドドアを設けたモデルも設定。キャブとリアボディはそれぞれ独立していて、ウォークスルー機能はない。
荷室サイズは内法長2930mm×内法幅1800mm×内法高1965mmで積載量1.15トン(サイド扉レス)または1.05トン(サイド扉付き)。架装は北村製作所が担当する。
ちなみにウォークスルーバン、アルミバンとも庫内にホイールハウスを設ける必要があり、そのぶんボディの造作には手間がかかっている。日野によると、民需架装向けのキャブ付きシャシー出荷も可能という。
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