ダカール・ラリー2024は1月6日、サウジアラビア北西部のアルウラ~アル・ヘナキヤ間で第1ステージの競技が行なわれ、本格的競技がスタートした。
日本から唯一トラック部門に参戦を続ける菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組の日野チームスガワラは、前回通りHINO600シリーズを駆り、総走行距離約8000km、競技区間は約4700kmの2週間におよぶダカール2024に挑む。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車、ASO
第1ステージは部門13位の順調な走り
アルウラ→アル・ヘキナヤの第1ステージは、トラック部門13位の成績で走り終え、夜8時前に無事アル・ヘナキヤのビバークに到着した。
この日はアルウラのビバークを出発して南東部へ84km移動したあと414kmのSS(競技区間)が予定されていた。しかし、スタート地点付近で発生した観客の交通事故にメディカルカーが対応した関係で4輪部門全体のスタート時間が1時間遅延したため、トラック部門の競技は281km地点のCP(チェックポイント)2で終了。その後は舗装路に出て195kmの移動でアル・ヘナキヤのビバークに到着した。
SSの路面はプロローグランの路面に似た岩と砂地のキャニオン越えに始まり、たびたび方向の変わる道のないオフロードに……。後半は岩が多くパンクのリスクも高いラフな路面のワインディング路が続いた。先行車の巻き上げる埃が酷く、相応に難易度の高い内容となっていた。
翌7日の第2ステージはアル・ヘナキヤ~アル・ドゥワディミ間で行なわれた。
行程はアル・ヘナキヤのビバークからリエゾン(移動区間)で73km移動した丘陵から462kmのSS(競技区間)がスタート。路面は砂丘もあるが堅い路面の丘陵やワジ(枯れ川の底)を行くスピードの出せる区間が中心で、先行車の巻き上げる埃が酷く、ナビゲーションの難しい場所もあった。いっぽう、砂丘は多くの先行車が通過したことで崩れ、転倒車も数台出るなど難易度が高まっていた。
このSSをトラック部門12番手でスタートした菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組の日野600シリーズは順調に走り始めたが、序盤の砂丘を抜けた40km地点でトランスファーに内蔵されている副変速機のハイギアが駆動を伝達できなくなり、その後はローレンジでの走行を余儀なくされることとなった。
しかし今大会に向けてデフの減速比を浅く(ギア比を高く)したことが奏功。時速100km以上のハイスピード区間では後続車にパスされたものの、低中速域では通常のペースを保つことができ、トラック部門のトップから53分11秒差で11位の成績でゴールした。この結果により7日までの累積順位も部門11位に浮上した。
SSを終えた日野チームは119kmのリエゾンを消化してメカニック陣の待つアル・ドゥワディミのビバークに7時半頃到着。乗員とスタッフ全員が参加するミーティングのあと、早速各自の作業に取り掛かった。