往年の名車が復活! と喜んだものの中味を見たら、まったく違う……もちろん、当時のクルマをそのまま復活させることは望むべくもないけれど、ここではよくも悪くも別ものになっちゃった4モデルを紹介しよう。
文/FK、写真/スバル、トヨタ、三菱
■スバルの象徴的な軽自動車から現代的なコンパクトSUVに生まれ変わったレックス
レックスといえば、1972年にR-2の後継車として登場した軽自動車を思い浮かべる人も多いはず。スバル360から続くRRレイアウトを踏襲した流麗なウェッジシェイプで個性的なシルエットを実現したことに加え、ソレックスツインバレルキャブレターを装着して37psを発生したエンジンやスタビライザー付ハードサスペンションを採用したGSRを設定するなど、レックスはヤングSSのDNAを受け継ぐスバルの象徴的なモデルのひとつでもあった。
そんなレックスは2度のフルモデルチェンジが行われたが、1992年にいったん販売を終了。それから約30年後の2022年11月、コンパクトSUVとして突如復活を果たしたのが現行のレックスだ。
現行のレックスは5ナンバーサイズで最小回転半径も5.0mという取り回しのよさをウリとしながら、人や荷物をしっかりと載せられることや最新の安全装備を充実させたことも大きな特徴。
それでいて、スタンダードグレードのGが182万円、内外装に洗練・上質さを高める装備を搭載したハイグレードグレードのZが217万1000円というリーズナブルさも見逃せないアドバンテージとなっている。
また、軽量・コンパクト・ロングストロークの1.2L3気筒のWA-VE DVVTエンジンは高効率な高速燃焼を実現する高タンブルストレートポートをはじめとした新技術を採用して優れた熱効率を実現するとともに、力強くてスムーズな発進時の加速と低燃費も両立。
ゆとりのある室内空間やフレキシブルにアレンジできる荷室なども含めて価格に見合わない充実ぶりを誇るが、残念ながら2024年4月下旬に現行モデルの生産を終了することが決定。現行モデルが欲しいという人は、このラストチャンスをお見逃しなく。
■RAV4 は“完全別モノ”の本格SUVで復活を果たしたことが吉と出た!?
スズキのエスクードやダイハツの先代ロッキーとともに、コンパクトサイズのSUVとして人気を集めた初代RAV4がデビューしたのは1994年5月。
フレームレスモノコックボディに前輪駆動ベースのフルタイム4WDを採用したRAV4は、一般の乗用車から乗り替えても違和感のない運転感覚、高い着座位置による取り回しのよさ、全長3695×全幅1695×全高1655mmというコンパクトでキュートなボディが奏功して女性からも好評を博した。
その後、2度のフルモデルチェンジによってコンパクトだったボディはどんどん大きくなり、3代目は全長4335×全幅1815×全高1685mmにまでサイズアップするとともに洗練さと力強さを前面に押し出したデザインに刷新。
エンジンも初代は2Lだったのに対して3代目は2.4Lにサイズアップされたが、2016年に国内ではいったん販売が終了。
その後も海外では4代目の販売が継続されていたが、2019年4月に行われた5代目へのフルモデルチェンジを機に国内市場に再び投入された。
もとはといえばオンロード重視の“都会派高性能SUV”、すなわち、シティオフローダーとしてデビューしたRAV4。
しかし、5代目は“SUVらしい力強さと使用性へのきめ細かな配慮を兼ね備えた4WD”をコンセプトに新4WDシステムのダイナミックトルクベクタリングAWDやAWDインテグレーテッドマネジメントによる4WD統合制御など、新しいことにチャレンジする気持ちを呼び覚ます本格SUVへと大きく進化。
初代に比べて完全別ものになってしまった感は否めないが、その大きな進化は現代で受け入れられ、5代目発売後1カ月間の受注台数は3000台の月販目標に対して8倍となる約2万4000台を記録。
今なお高い人気を維持しているが、近々フルモデルチェンジされるとの噂もあり、今後の動向に注目すべき1台であることも最後に付け加えておきたい。
コメント
コメントの使い方