急成長している、ネット型自動車保険。ネットか代理店か、どちらから自動車保険に加入するのかは、迷いどころ。両者一長一短がありますが、自分にとってはどちらが良いのか、一緒に考えていきましょう。
文:佐々木 亘/写真:AdobeStock(トップ画像=camera papa@AdobeStock)
■ネット型自動車保険が急成長した理由
1998年、自動車保険等の主要商品について保険料率が自由化されました。これを保険の自由化といい、一律だった自動車保険の料率設定が、自由になったのです。
保険の料金を自由に設定できるようになり、保険会社間の競争が進みます。これにより、消費者の保険商品の選択肢は、広くなりました。かつては、保険金に応じて保険商品の値段が決められていたことを、ご存知の方は割と少ないかもしれません。
自由な価格設定により、保険の競争は激しさを増します。そこへネット保険も参入し、急成長を遂げます。
自由化と共に、ネット保険台頭の要因になっているのが、インターネットの普及とデジタル技術の進歩です。特に、保険の比較や申し込みが容易になった影響は、大きいでしょう。
以前は、代理店同士の相見積もりをとり、比較する必要がありましたが、今はネットの普及により、手軽にオンライン上で複数の保険会社のプランを比較できます。消費者側としては、最適な保険会社やプランを選びやすくなりました。
積極的にテクノロジーを活用し、顧客満足度を高める取り組みを行っているネット保険。ここ最近、ネット型保険が台頭している理由には、こうした背景があるのです。
■保険料の安さでも優位に立つのはネット型保険!
ネット型保険が支持されている理由の一つが、保険料の安さです。店舗を持たないネット型自動車保険は、家賃や人件費を抑える事ができ、代理店型自動車保険より2割程度、保険料が下がるといわれます。
とある軽自動車で、代理店型自動車保険とネット型自動車保険の、保険料を比較してみました。
補償・契約条件はベーシックな、対人対物無制限、人身傷害3,000万円、車両保険なし、補償条件は21歳以上補償、免許証はブルー、本人夫婦限定です。すると、代理店型自動車保険が年間61,800円に対して、ネット型自動車保険が年間50,040円となりました。(金額は筆者調べの一例)
さらに、ネット型自動車保険に多いのが、走行距離に応じた保険料の割引です。上記の例では、年間走行距離が3000km以下の場合、年間35,000円ほどで加入できるプランもあります。
こうした保険料負担の小ささが、ネット型保険のいいところ。保険料の面では、代理店型保険は、手も足も出ないのです。
■ネット型自動車保険と代理店型自動車保険の線引きはココ!
ここまで見れば、ネット型保険の大勝ちのように見えますが、現在でも代理店型保険も一定のシェアを残しながら、ネット型保険に対抗しています。
代理店型自動車保険のメリットは大きく2つ。1つは、対面手続きによる安心感や、もしもの時の相談のしやすさ。もう一つは、複雑化する保険商品に対して、豊富な知識を持った専門家が自分のライフスタイルにあったプランを提案してくれることです。
手軽さ・安さのネットか、安心の代理店か。どちらが自分に合っているのか悩んだときに見極めるポイントは、保険料の差とサービスの質が釣り合っているのかどうかを、正しく判断することにあります。
安心感や相談がしやすいから、ネットよりも少し高いお金を払う。(相談の対価としてお金を払うということ。)相談は必要なく、自分の知識で保険内容がを選べるのであれば、相談料の必要のないネット型保険を選べばいいのです。
両者を同じ土俵で戦わせることが大切になります。ネット型自動車保険は「加入手続きの柔軟性と保険料の安さ」、代理店型自動車保険は「商品の多様性と安心度」、どちらをアナタは必要としていますか。
現在加入している自動車保険は、自分のニーズとあっているのか、サービスと保険料が見合っているのかを常に確認しておくことが、保険選びの重要なポイントなのです。
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