「市販車になるわけねぇ〜」と述べたばかりだが、そのコンセプトを脈々と受け継ぎ市販車になったモデルもある。多くの場合、「コンセプトカー時代のほうが格好よかった」という印象だが、ホントにそうなのか!?
清水草一氏に、コンセプトカーから市販車になった国産車のなかで、デザインの視点で印象に残り、「ひと言いいたい!」というモデルを多数取りあげ、ズバッと斬ってもらった。
コンセプトカー 格好悪くなった・編
「市販車になるとなんでこう格好悪くなるの?」というクルマのデザインを斬る。特別にランキング形式で紹介。写真は上がコンセプトカー、下が市販モデルで、写真の下にある点数は清水草一氏によるデザイン評価点だ。
ワースト5
ダイハツミライース
■第41回(’09年)のショー
コンセプトモデルの印象は、「悪くないけど、こんなの売れるわけない」でした。あんな居住性の低い2ドアモデルじゃ軽としてどうにもならなかった。
で、市販車はそのあたりを全部やり直して断然実用的になったけど、デザイン的にはまったく後退して、ただの安い軽になった。その点コンセプトモデルは、それなりに端正なデザインだったので、ダメになった部類ということでワースト5。
ワースト4
三菱コルト
■第35回(’01年)のショー
これも、コンセプトモデルが非常にカッコよくて、テリー伊藤さんも「三菱は勝った!」と言ってたんだけど、実車を見て「勝ってなかったじゃん!」となってしまいました。
コンセプトモデルがカッコよかっただけに、市販車も悪くはないんだけど、グリーンハウス上部の絞り込みを始めとして、すべてが常識的になっていた。「おお!」と思うところが皆無になっていましたね。
ワースト3
ホンダCR-Z
■第40回(’07年)のショー
故・前澤義雄さんが、「’07年のコンセプトモデルはよかったけれど、市販モデルはダメ」と言ったのが印象的だったので選出。前澤さんは、「フロントがまったく違う。
’07年の時は昔のフェラーリのようにグリルを筒のように見せていた。そこからしなやかに後ろへと続くラインがエレガントだった。が、市販モデルはエンジンの位置が高すぎる」とのことでした。難解です。
ワースト2
三菱デリカD:5
■第39回(’05年)のショー
これまた実車のデザインレベルはかなり高い。でもコンセプトモデルが抜群によかったんだよ! 路面とのクリアランスの大きさやフロントの無機質なデザインがすごくよかった。
月面を走ってるみたいな非日常感があったんだよね! ところが市販車にはそれは薄く、かなり所帯じみた雰囲気に。「これじゃフツーのミニバンじゃんか!」とガックリ。悪くはないですが。
ワースト1
マツダアテンザ
■第42回(’11年)のショー
アテンザのデザインがワースト1というわけじゃ決してない! それどころかこの中でベストのデザインだ。
でも、’11年のショーに出展されたTAKERI(雄)があまりにもカッコよくて、「これがほぼそのまま市販化される」と聞いていたので、期待値が極限まで上がり……、実物のアテンザを見てガックリしてしまいました。それでも充分高得点を付けられます!
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